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「つわり」の仕組みを知っておこう!いつから?ピークはいつごろ?どのくらい続く?

インタビュー 妊娠・出産

「つわり」の仕組みを知っておこう!いつから?ピークはいつごろ?どのくらい続く?

妊娠するとたいていの人が経験する「つわり」。寝込むほどつらい人がいる一方で、なにごともなく過ごしたという人もいたり、人によってさまざまなようです。おおしおウィメンズクリニック院長の大塩達弥先生に、つわりについて教えていただきます。

2018.5.26

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そもそも「つわり」の仕組みとは?




妊娠が成立すると、妊婦さんの体からは通常の倍量にあたる黄体ホルモンが分泌されます。ふだんの生理予定前に黄体ホルモンの分泌量が増え、吐き気、頭痛、倦怠感、眠気などといった不快な症状を起こすのと同様です。さらに、ホルモンが倍量になるのですから、不快症状も増すわけです。妊娠週数で言うと、早い人は妊娠5週くらいから始まってその後ピークを迎え、だいたい胎盤が完成する9~10週までで解消されていくといった形で、妊娠初期に起こり、中期には終わることがほとんどです。


 


ただし、つわりには個人差があります。何も感じず過ぎてしまう人もまれにいますし、1人目の妊娠と2人目の妊娠でつわりの程度や症状が違ったりとさまざまですが、その原因は特定できてはいません。そして、9~10週を過ぎてもつわりが続くケースがあります。黄体ホルモンが大量に分泌されて胃腸の機能が弱まり、血液の流れが悪くなることで、胃もたれ、胃酸過多、時には逆流性食道炎を起こす人がいたりするなど、消化器系のトラブルも多くなってきます。


 


一見ふつうのつわりでもトラブルには要注意


消化器系トラブルによるつわりのほかに気をつけたいのが、甲状腺ホルモンの上昇によるつわりです。当院だと妊婦さん全体の5分の1くらいの方に見られます。このなかには、一過性の甲状腺中毒症で経過観察すれば大丈夫な方もいますが、妊娠前からバセドウ病、橋本病を患っていた方には注意が必要です。


甲状腺の疾患には遺伝的な要素が含まれるので、つわりが長引く場合にはご家族に病歴などを一度詳しく聞いてみてください。甲状腺の機能異常が見つかった場合、専門医と連携を取りながら妊娠を進めていく必要があります。検査、管理を怠ると血圧が急上昇したり、脈拍が異常に速くなったりして最悪、甲状腺クライシス(クリーゼ)を起こすこともありえます。テレビドラマ「コウノドリ」で、頻脈や手の震えを確認していながら、検査を先延ばしにしてしまった結果、妊婦さんが死亡してしまったというエピソードがありましたが、これは本当にありえる話なのです。


 


また、中には甲状腺がんが見つかるケースもあり、当院ではこの2年間で2人の方にがんが見つかりました。この場合には、妊娠が継続できないというわけではなく、ほとんどのケースでは出産してから手術を受けることになります。


 


体重が減少するようなつわり症状なら担当医に相談を


つわりで何も食べられない、食べても飲んでも吐いてしまうということをくり返し、体重減少が2㎏を超えると、体からエネルギーを作り出せず「妊娠悪阻(にんしんおそ)」になる可能性があります。


体重が減少することで尿検査でケトン体という成分が検出されると、点滴など適切な処置が必要になってきます。体重が減ってしまい、食べ物や飲み物をなにも受け付けなくなった時には自分ひとりで我慢せず、必ず医師の診察を受けましょう。


  また通常のつわりでも、何も食べないでいると血糖値が下がり過ぎてしまいます。対処法ですが、つわりの時期は栄養やバランスはあまり考えなくてかまいません。揚げ物が食べたい、炭酸水を飲みたい……など、ふだんと違うものを欲するのは当然のことなので、「食べたい時に食べられるものを食べる」のが基本です。たくさん食べると気分が悪くなりやすいので、おにぎりやパンを小分けにして少しずつ食べたり、のど越しのいいゼリーなどを食べるのもおすすめです。血糖値を下げ過ぎないよう対策をしてみてください。


 





大塩先生より まとめ



つわりが長く続いたり、体重が2㎏以上減る場合は、ためらわず担当医に相談をしてください。通常のつわりの時には、血糖値が下がり過ぎないよう、小分けにして食べるようにしましょう。




お話を伺った先生のご紹介

大塩 達弥 先生(おおしおウィメンズクリニック 院長)


日本大学医学部卒業 横須賀市立市民病院産婦人科、川口市立市民病院、関東逓信病院産婦人科、セントマーガレット病院産婦人科部長を経て、平成9年おおしおウィメンズクリニックを開設。クリニックは産科、婦人科だけでなく、不妊外来、胎児ドック、ピル外来、産後の美容・エステなど、女性をトータルでサポートしてくれる。日本産科婦人科学会専門医、日本母性衛生学会会員 母体保護法指定医 日本受精着床学会評議員 日本不妊学会会員。ほか、日本大学医学部産婦人科兼任
講師としても活躍中。

≫ おおしおウィメンズクリニック

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