3つの医療機関での不妊治療を経て、見つけた未来 夫婦とも異常がない不妊治療との闘い。
コラム 不妊治療
3つの医療機関での不妊治療を経て、見つけた未来 夫婦とも異常がない不妊治療との闘い。
夫婦とも異常がない不妊治療との闘い。「頭で考えることをやめて体の声を聴こう」漢方サロンとの出合いで新しい自分に。
「彼の子どもが欲しい。時間がない」その一心で突き進んだ不妊治療の末、自分の感覚を信じて方向転換。フッと心の力がゆるんだ時、自然と赤ちゃんがやってきてくれました。
※2018年8月27日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.39 2018 Autumn」の記事です。
結婚と同時に治療を開始「原因不明不妊」と診断
「ずっと、お母さんになるのが夢だったんです」
現在1歳5カ月のゆりかちゃんの子育てに夢中の山本ちひろさん(33歳)。その眼差しは喜びと優しさにあふれています。でも、命を授かるまでの4年間は、行き場のない思いを抱えながらの葛藤の日々でした。
子どもが大好きで、保育士として活躍していたちひろさん。高校の同級生だったご主人とは結婚を前提に交際。「結婚したらすぐ子どもが欲しい!」と思っていたちひろさんは、普段から生理痛がひどかったこともあり、結婚の1年ほど前から婦人科を受診していました。検査では、子宮内膜症であることがわかり、生理痛の原因もそのためかもしれないとのこと。ただ、治療が必要なほどではなく、経過観察という診断でした。
その時、「私は赤ちゃんができにくいかも」と感じたちひろさん。29歳で結婚と同時に、通っていた産婦人科で治療を開始。最初の半年はタイミング法を行っていましたが妊娠には至らず、半年で区切りをつけ排卵誘発剤やホルモン剤を使った治療へ。
「女性は卵巣年齢もありますし、子宮内膜症のことも心配で、早くしなきゃ、何かしなきゃと焦っていました」
さらに専門的な治療をと、ちひろさんは不妊治療専門のクリニックに転院することに。そこでもタイミング法、排卵誘発と進み、今度は人工授精にも数回チャレンジ。しかし妊娠には至らず、落ち込んでいくばかりでした。
そんな時、ご主人の転勤が決まり、福岡へ引っ越すことに。京都で生まれ育ち、一度も地元を出たことのなかったちひろさん。不安もいっぱいでしたが、決意を新たに、「今度こそ!」と福岡で有名な不妊専門クリニックを見つけ、治療を再開。タイミング法から段階を踏んで人工授精へチャレンジ。しかしよい結果は得られず、2回目、そして3回目も不成功となった時、ちひろさんは、すっかり気力を失ってしまいました。
「私も主人も検査では何も異常はなく、“原因不明不妊”と医師からもさじを投げられたようで、どうしていいかわからなくなりました。原因があれば解決策を探れるけど、わからないのがもどかしい。その頃には子宮内膜症も改善していたので、余計に悶々として。体外受精もすすめられましたが、もっとほかにできることがあるのではないかと、踏み出せませんでした」
すでに3年を過ぎた治療生活。そのストレスは女性だけではないはず。隣で穏やかに笑うご主人に当時の心境を伺うと、「いえいえ、女性の大変さに比べたら僕なんて全然です」という言葉。
「ね、優しいでしょう? いつも協力的で優しくて。だから余計に、彼の子どもを産みたい、悲しまないで前を向かなきゃと思いました」
心をふっと軽くしてくれた漢方サロンとの出合い
自分の体をいたわったら自然と命がやってきた
生活習慣の改善とともに、体質や姿勢、心のもち方も変わってきていたある日、自然妊娠が発覚! 漢方サロンに通い始めてわずか2カ月のことでした。
「もう、びっくりですよ!」
自分の体や心と向き合うようになり、体の内側から湧いてくる「勘」みたいなものが冴えてきたというちひろさん。
「この子ができたのは“朝”にタイミングをとった時なんです。疲れている夜よりも、エネルギーに満ちた朝のほうが絶対いいはず!と、初めて朝にタイミングをとったら妊娠できた。皆さんにもオススメです!」と笑うちひろさん。妊娠中もサロンに通いながら体調を整えたことで、産後もスムーズに回復できたと言います。
現在は、やんちゃに走りまわるゆりかちゃんに振り回されながらも「やっと来てくれた命、ありがとう」という思いで、夫婦で子育てを楽しんでいます。ちひろさんは保育士にも復帰することになり、ゆりかちゃんを同じ保育園に預けながら、働き始めたばかり。「落ち着いたら2人目」を考えています。
つらくて涙したことが何度もあった4年間。どうしてもダメだった時は、「養子」という選択肢も考えていたそう。そして数々の経験と思いを乗り越え辿り着いたのは、“自分の体と向き合う”“心地よく生きる”ということでした。
「サロンでアドバイスを受けながら自分の体を大事にし、一つひとつ整えていったら、自然と命がやってきた感じです」
サロンに通うたびに先生やスタッフの方から、「いい感じ」「きっとできる」など前向きな言葉をたくさんかけてもらったことも大きかったと振り返ります。
「今、不妊に悩んでいる人には、決して諦めないでと言いたいです。自分がいいと思ったことは結果はどうであれやってみる。もっと自分の体に興味をもって、大事にして、いつかお母さんになるために頑張ってほしいです」
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.39 2018 Autumn
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