不妊治療の認定看護師が治療の悩みや不安に寄り添う
コラム 不妊治療
不妊治療の認定看護師が治療の悩みや不安に寄り添う
不妊治療は専門的な言葉が多い。初歩的な治療の疑問から長引く治療に対する不安など、認定看護師がサポートするケースを紹介します。
不妊治療は専門的な言葉が多く、理解できないこともしばしば。初歩的な治療の疑問から長引く治療に対する不安や悩みなど、患者さん個々に応じて認定看護師がサポートするセント・ルカ産婦人科のケースを紹介します。
※2018年8月27日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.39 2018 Autumn」の記事です。
全部署に生殖医療相談士を配属して治療中の方のメンタルをフォロー
「子どもが欲しい」と思い、「子どもができない」という状態があって初めて“不妊症”という病気になります。望んでいる、という前提があるから治療が長期化すれば精神的ダメージも大きくなります。
医師は医学的に、看護師と心理士は精神的に患者さんに寄り添うことに重きを置いているので、相容れず意見がぶつかることもあります。でも、両者が同じ信念、方向性をもって治療に携わり、それぞれのアプローチから患者さんにベストな医療を提供するのが当院の方針です。現在、患者さんと接する全部署(看護部、培養室・研究室、受付)に生殖医療相談士がいますから、どのタイミングでも気軽に声をかけてもらえると思います。心理的なフォローをしてくれるスタッフの存在は、患者さんにとってもとても頼もしい存在になっているのではないでしょうか。
Q1 どのようなきっかけで不妊症看護認定看護師の資格を取ったのですか?
Q2 患者さんからの相談はどんなことが多い?
治療のステップアップのタイミングで悩む患者さんが多いです。ステップアップするべきか、ステップアップの後にどう進んでいくのか、このまま今の治療を続けられないのか、など。基本的にはご夫婦で決断してもらう方針なので、決めるための材料となる情報をできるだけわかりやすく伝えています。また、当院では40歳以上で体外受精をしている患者さんの会や、2人目不妊の会など、同じような治療や境遇の患者さん同士がコミュニケーションを取れるようテーマ別のサークルを定期的に開催。私たち看護師や心理士も同席して、患者さんの悩みや不安を解消するお手伝いをしています。
個室で行う予約制の「なんでも相談」では、主任クラスの看護師が治療や検査の疑問や悩みにお応えしています。
Q3 患者さんに向けてメッセージをお願いします
当院の院長に対して「怖そう」「怒られそう」というイメージをもっている患者さんも多いようです。確かに患者さんに接する時の表情がやや厳しい印象だと思います。でも、その表情は「不妊に悩んでいるご夫婦に赤ちゃんを授けてあげたい」「諦める人をつくりたくない」という信念の表れなのです。
だからこそ、落ち込んだり、へこんだまま帰らせるわけにはいかない、というのが全スタッフの思い。私たち看護師は、医師と同レベルで治療内容や意図を説明し、相談にも応えることができます。治療中、患者さんの一番身近にいる存在が看護師ですから一人で悩まず、気軽に声をかけてくださいね。
認定看護師の手島しおりさんからメッセージ
悩みやモヤモヤはその日のうちに! 私たち看護師は一番身近な相談役です
少しでも心に引っかかりを感じたら、まずは看護師を頼ってください。心理士やラボスタッフへ橋渡ししたあとも、一番身近にいる私たちが最後までサポートします!
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.39 2018 Autumn
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