心の玉手箱 Vol.34 「もし妊娠したら…、と思うと旅行や家の購入、昇進もガマン。」
コラム 不妊治療
心の玉手箱 Vol.34 「もし妊娠したら…、と思うと旅行や家の購入、昇進もガマン。」
もし妊娠したら…、と思うと旅行や家の購入、昇進もガマン。こんな生活を続けている自分にも嫌気がさすこの頃。これからどうしたらいいの?秀子先生にお聞きしました。
※2018年8月27日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.39 2018 Autumn」の記事です。
はちさん(会社員・31歳)からの投稿
26歳から不妊治療をはじめ人工授精を4回したら体外受精に進む予定です。昨年、稽留流産を経験。気持ちの問題で数カ月治療を休憩して再開5カ月目です。この生活がいつまで続くのかを考えるとつらく、嫌になります。いつ妊娠するかわからないので、海外旅行の予定も立てられない自分、家を買いたくても決められない自分、昇進の話も躊躇する自分、もう子どもを諦めて二人の生活を考えたほうがいいと自暴自棄になる自分。そんな自分に嫌気がさしてきました。不妊治療でいう「やることは全部やる」って何を意味するのでしょう。私にはそれがわからなくなりつつあります。
投稿者:あんみつさん(医療関係・36歳)
その若さで不妊治療歴4年以上なら体外受精へステップアップしてはどうでしょう。私は29歳から治療をして、31歳で体外受精をはじめ、34歳でようやく出産しました。治療中も生活スタイルは変えませんでした。妊娠したら、なんてことも考えませんでした。だってまだ妊娠していないのですから。もしかしたら夫婦で暮らしていくことになるかもしれないので、その生活のことも考えてはいました。治療のことや、まだ見ぬ子どものことをあれこれ考えても仕方ないので、とにかくストレスがないように過ごすのが一番ですよ。ただでさえ治療のストレスは半端ではないのですから、わざわざ自分で制限することはないと思います。
投稿者:ゆーさん(育休中・39歳)
20代から不妊だと、タイミングや人工授精で何とかなる程度ならもう出産できていると思うんですよね。私は20代から不妊で体外受精からはじめましたが、6年半かかりましたよ。私の経験から言えるのは、30代前半なんてあっという間に過ぎますよということです。そこから体外受精しても年齢的にうまくいかなくなりますよ。そんなに落ち込むなら、どんどん治療を進めればいいのにと思ってしまいました。今なら体外受精で早めにいい結果が出るかもしれません。
妊娠は心のゆとりから。“足かせ”をはずして自分をハッピーにしてあげて
人生は思い通りにいかないことも…。だから代案は必要です
流産も一つの妊娠実績です。待っていたら必ず赤ちゃんは授かれるはず
1回妊娠されていらっしゃるということは、卵子の中に精子が入ったということ。決して相性は悪くありません。待っていたら必ず赤ちゃんはくるはずですから、その未来を信じて進んでいってはどうでしょう。でも妊活は、いつ終わるかわからないから、どこまでやっていいのかわからない。だから不安なんですよね。それは、医師はもちろん、誰にもわかりません。その答えをわかって妊活している人はどこにもいないのです。
「やれることを全部やる」というのは、自分をがんじがらめにして、身の丈以上のものを求めることではないのですよ。自分の器のなかで無理をせず、将来どんな道を選ぶことになっても、幸せな人生だったと思えるように生きることです。子どもがいる幸せな人生もあれば、子どもがいない幸せな人生もあるのです。まずは、気持ちにゆとりをもちましょう。時間とお金を自分のためだけでなく、二人のために有効に使って“ハッピーな人”になりましょう。奥さんが幸せだったら、ご主人も幸せなんです。そしてしっかり稼いで家族を大切にしてくれますよ。
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.39 2018 Autumn
≫ 掲載記事一覧はこちら