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期待と不安がいっぱいの妊娠初期。注意すること、気にしなくてよいことは?

インタビュー 妊娠・出産

期待と不安がいっぱいの妊娠初期。注意すること、気にしなくてよいことは?

妊娠初期に気をつけるべきことと、気にしなくてもよいことを知りましょう。佐野産婦人科医院の今野秀洋先生にお話を伺いました。

2018.9.6

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妊娠初期は体調の変化が大きく、小さなことで不安になりがちです。この時期に気をつけるべきことと、逆に気にしなくてもよいことを知っておきましょう。佐野産婦人科医院の今野秀洋先生にお話を伺いました。




不正出血があったら、様子を見ないで産科医院に相談を


受精卵の着床時から安定期に入る妊娠14週までの妊娠初期は、さまざまな症状と体調不良で不安になってしまう妊婦さんが多くいます。症状の中で注意したいのは、①不正出血②つわり③お腹の張り④薬の服用 などです。
不正出血については、妊娠中に2割くらいの人が経験すると言われ、決して珍しいことではありません。出血の原因はほとんどが問題ないもので、まず考えられるのは「着床出血」という、受精卵が子宮内に着床した時にサインとして出血するケースです。受精して約10日後から14日目くらいに起きます。また、ばい菌などが入り、腟がただれて出血したり、子宮口にポリープやびらんができて、ただれて出血してしまうこともあります。
しかし、一方で深刻な状態として流産も15%ほどあり、さらに受精卵が着床すべき子宮内腔でないところに着床してしまう子宮外妊娠(異所性妊娠)も1%程度あります。子宮外妊娠は放っておくと破綻して大出血を起こし、ショック症状で命に関わる状態になることもあり、特に注意が必要です。
そのため自己判断は禁物で、不正出血があったら、まず産科医院に電話で相談し、「出血の程度と頻度」「出血している日数」「出血の色」などを伝えます。茶色なら古い血ですから緊急性が高くないかもしれません。真っ赤なものであれば、今何かが起きている可能性があり、早めに受診した方がよいと言えます。


つわりには、トリガーであるストレスを減らす工夫を


つわりは妊娠初期にある不調の代表格です。症状には、吐き気やおう吐、全身の倦怠感、頭痛、眠気、食欲不振、食べ物や匂いに対する嗜好の変化などがあります。早い人だと妊娠6週くらいから始まり、ピークは9週くらいで、大体の人は12週くらいで治まってきます。しかし、もっと長引いたり、水分を摂るのもままならないほどひどい症状になる人もいます。つわりのトリガーはストレスと言われていますから、なるべく無理なく過ごすことが大切です。たとえば食欲がないなら比較的調子がよい時間帯にだけ食べるようにするとか、仕事をしている女性であれば、早めに上司に妊娠を伝えて時差出勤にしてもらうとか、自分が楽になる方法を積極的に実践してもらいたいと思います。
また、具体的なつわりの対策としては、味覚が変わって食欲が落ちている人には、「しょうが」がおすすめです。ヨーロッパなどでよく取り入れられていますが、食事に少し加えるだけで食欲が増進します。また、水を飲むのもつらい場合には、アルカリイオン飲料を製氷器で凍らせて、1つずつ口の中で溶かしていくという方法があります。それだけで水分だけでなく糖分もミネラルも摂れます。


さまざまな不調。どんな薬なら飲んでも大丈夫?


さらに、妊娠初期の悩ましい問題として、薬の服用があります。
下痢や便秘は、妊娠によるホルモンの変化が消化管に影響するため、この時期に起こりがちです。しかし、赤ちゃんへの影響の心配なく処方できる下剤もありますので、かかりつけの産科医院に相談するといいでしょう。また、妊娠中の風邪薬の服用がよく取り上げられますが、妊娠初期は極力控えた方が無難です。14週までは脳やさまざまな臓器を作る、胎児にとって大切な器官形成期のため、風邪薬により奇形などを引き起こす恐れもゼロではないからです。
頭痛薬の服用は、妊娠中でもアセトアミノフェンの薬であれば、あまり心配はいりません。また、カフェインは血管を開く作用があり、頭痛のタイプによりますが摂取することで緩和する方もいますので、1日1杯くらいならコーヒーを飲むのもよいでしょう。さらに、子宮が大きくなって起こりやすくなる腰痛の予防方法としては「ヒールの高い靴は避ける」「重い荷物を持たない」「柔らかすぎるベッドには台とマットレスの間に板を入れる」などがあります。生活の中での腰痛予防を工夫しましょう。
心配性の妊婦さんの中には、頻繁にお腹が張ることを心配する人もいます。これは、1つは便秘などの腸の問題と、もう1つは子宮の成長による症状です。出血を伴っていなければあまり心配はありませんので、気にしないようにしましょう。


まとめ
妊娠判定薬の普及により、早い人では3~4週の段階で、自分で妊娠が知ることができるものの、その後なかなか産科医院を受診しない人も見受けられます。早めに診察を受けておけば、何かあった時にも原因が明らかになりやすく、重篤な症状にも迅速に対応してもらえます。遅くとも5~6週までには受診するようにしましょう。


お話を伺った先生のご紹介

今野 秀洋 先生


1997年、順天堂大学医学部卒業、医学博士、産婦人科専門医。同大学胸部外科教室入局後、2007年順天堂大学産婦人科教室入局。順天堂大学浦安病院産婦人科勤務を経て、国立成育医療センター周産期センターで先進医療に従事した後、佐野産婦人科医院院長に就任した。外科出身の経験を活かしつつ、大学の後輩で副院長の奥様とともに、妊活から、妊娠、出産、産後まで、女性が安心して赤ちゃんを産めるトータルな医院づくりを目指している。趣味は体力づくりを兼ねたジョギング。多忙な仕事の合間をぬい、朝夕の時間を問わず走っているという。ゆっくりと優しい話しぶりが印象的なドクター。

≫ 佐野産婦人科医院

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