【医師監修】無駄にしたくない!採卵時にとれる未成熟卵って?
コラム 不妊治療
【医師監修】無駄にしたくない!採卵時にとれる未成熟卵って?
採卵時にとれる未成熟卵。実は、卵子における未成熟卵にも種類があるのです。なかむらレディースクリニックさんに詳細を伺いました!
未熟な卵子ってどんなもの?
ひとつの卵子も無駄にしないためには?
一般に卵胞径が16mm以上であればM II期卵の割合が高くなります。
卵胞径が10mm以下の卵胞であれば、卵子自体がとれないことも多い上、未熟卵の確率が高くなります。
また、小卵胞の穿刺は技術的にも難しくコツが必要になります。
そのため、卵胞径が小さい卵胞については採卵できないとして穿刺しない施設も多いかもしれません。
もったいないお話です。
なぜなら、小卵胞からも卵子が回収できるからです。
小卵胞から回収した卵子のうち、MII期卵が30%ほどをしめ、その日のうちにMII期卵になってくれるMI期卵も10%程度採取できます。
そして残りの60%を占めるGV期卵でも培養方法も工夫すれば最大50%程度の成熟率と3%程度の良好胚盤胞をえることができます。
大卵胞が多くできる場合は、小卵胞にこだわる必要は無いかもしれません。
しかし、40歳を超える方の場合やAMHが低い場合などには、排卵誘発に反応しないことも多く、大卵胞が1個か2個の場合もよくあります。
そのような場合でもある程度は小卵胞が存在するので、この小卵胞を穿刺していく必要があります。
したがって、未成熟卵に目を向けないというのは、非常にもったいない話なのです。
こういったところに目を向けてくれるのかどうかも、クリニック選びの条件として考慮していいかもしれません。