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妊娠中の感染症 予防と対策、赤ちゃんへの影響は?

まとめ 妊娠・出産

妊娠中の感染症 予防と対策、赤ちゃんへの影響は?

妊娠中には特に気をつけたい、赤ちゃんの発育に影響を及ぼす恐れのある感染症と、その予防法について知っておきましょう。

2018.9.25

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妊娠すると、赤ちゃんを迎える喜びとともに、出産までの長い期間を無事過ごせるか不安を感じる方も多いようです。


赤ちゃんの発育に影響を与える感染症はたくさんありますが、知識を味方につけて、賢く妊娠期間を乗り越えたいですね。


今回は、妊娠中には特に注意したい感染症についての記事をご紹介します。


赤ちゃんへの影響が大きい感染症とは


妊娠中に妊婦さんがかかると、胎児への影響が懸念される感染症は複数あるとされています。なかには、症状がほとんどなく、感染したことに気づかないまま過ごしてしまうケースもあるようです。


 


“妊娠中に注意すべき感染症はいろいろありますが、そのなかでも近年さかんに問題視されているのが「風しん」です。 風しんはウイルス性発疹症の一種で、発熱、発疹、リンパ節腫脹(炎症などによってはれ上がる状態)を特徴とする急性熱性発疹性疾患です。ただし、発熱は約半数にみられる程度ですし、何も症状のない不顕性感染が15~30%程度あります。


 


風しんに免疫のない、妊娠初期(およそ妊娠20週頃まで)の女性が風しんに罹患すると、風しんウイルスが胎児に感染して、産まれてくる赤ちゃんに先天性風しん症候群(congenital rubella syndrome:CRS)と総称される障害を引き起こすことがあります。”


 


“風しん以外にも母子感染を防ぎたい感染症は多数あります。近年、患者さんの急増が心配されている梅毒は、ペニシリンを中心とする抗菌薬の治療が有効です。


 


「トキソプラズマ」や「サイトメガロウイルス」「リンゴ病(伝染性紅斑)」は、いずれもワクチンがなく、妊娠前からの予防の手立ては難しいのですが、お腹の赤ちゃんに実際に影響し得る代表的な疾患です。


 


妊娠初期にこれらすべての抗体検査が必須なわけではありません。しかし、なかでもトキソプラズマは、早期に発見できた場合、妊娠中でもアセチルスピラマイシンなどの薬剤治療という選択肢があります。


 


サイトメガロウイルスについては、もし免疫がないことがわかっても、普段の生活における注意点を知ることである程度の感染予防をすることが可能です。”



“これから妊活するという人であれば、ぜひ、ブライダルチェックや妊活前の血液検査などで抗体の有無を含めて母体の健康を確認し、可能なものはワクチン接種を済ませて、妊娠中の感染症を予防することをおすすめします。”


■周産期感染症の専門医が教える、 妊婦と感染症の予防



季節によって流行する感染症には万全の対策を


妊婦さんにとって恐い感染症は先にご紹介したものが代表的ですが、季節ごとに街で流行するインフルエンザなどの感染症にも、妊娠中は特に対策が必要なようです。


 


“冬の感染症で一番、かからないように気をつけたいのはインフルエンザです。妊活中に高熱を出すと、その月は排卵しないこともあり妊活の治療をストップさせることになってしまいます。


 


また、妊娠判定が出る時にインフルエンザにかかっていると、それによって流産したり、着床しなかったりといったことの可能性もゼロではありません。ですから妊活中でもインフルエンザの予防接種を受けておきましょう。少なくとも高熱、肺炎などの重症化を防げます。


 


それと冬に限ったものではないのですが絶対にかかってほしくない感染症があります。風疹です。特に妊娠初期の女性が風疹にかかると胎児が風疹ウイルスに感染してしまい、難聴、心疾患、白内障、精神や体の発達の遅れ等の障害をもった赤ちゃんが生まれる可能性が高くなるからです。流行するのは春先から初夏にかけてですが、冬の間も気をつけましょう。”



“外出先から帰宅した際には必ず手を洗い、うがいをしましょう。市販のマスクは病原体の防御にはなりませんが、喉を乾燥から守ることができます。感染防御のためにマスクをしたい場合は医療用マスクを使ってください。人混みを避けることも大事です。(中略)感染症にかからないよう免疫力を高めるためにも正しい食生活と十分な睡眠が大切です。”


■妊活中は特に徹底的に予防を! 冬に流行する7つの感染症に注意



妊娠後のクラミジア感染にも要注意


また、妊娠後の性感染症にも注意が必要と言われています。性交渉によって感染し、感染に気づかないまま過ごすことも珍しくはないようです。


 


“クラミジアは卵管や骨盤内の炎症を起こす細菌です。卵管に炎症が起こると卵管性不妊や卵管妊娠の原因になることも。また、妊娠後は流産や早産の原因になりうるといわれています。


クラミジアは性交渉のみで感染する性感染症です。約90%は無症状なので、感染したことに気づかずに過ごしている人が多く、決して珍しいものではありません。当院の場合だと、検査をした半数弱の人に感染したことを示す抗体が見つかっています。


 


検査は子宮の入り口を綿棒でこすり、クラミジア(またはクラミジアのDNA)を直接検出する方法と、採血で血液中の抗体を調べる方法の2種類があります。前者のほうがより正確といえるかもしれませんが、子宮の入り口には菌は存在せず、骨盤内や卵管に菌がいる可能性を想定すると、後者のほうがより漏れの少ない検査といえます。”



“クラミジアは性交渉で感染する細菌なので、当院では念のためご主人への治療をおすすめすることも。また、卵管に菌がいると造影剤と一緒にお腹の中に広がってしまう危険性があるので、子宮卵管造影検査を希望する方は必ずその前にクラミジア検査をしていただくようにしています。”


■甲状腺機能・クラミジア・抗精子抗体の検査



出産時のHPV感染でかかる病気「咽頭乳頭腫」


このほかにも、子宮頸がんにつながるウイルスであるとされるHPVが赤ちゃんに感染するリスクがあると言われます。


 


 


 “HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンは、子宮頸がんや尖圭(せんけい)コンジローマなどを引き起こすHPV感染症を予防することで知られていますが、詳しく調べるうちに「咽頭乳頭腫(いんとうにゅうとうしゅ)」という病気も予防することがわかってきました。HPVは、咽頭乳頭腫の引き金にもなっていたのです。"


 


“咽頭乳頭腫は大人になってからも発生するケースはありますが、多くの場合、赤ちゃんが出産時に感染します。母親の産道を通り抜ける際にHPVウイルスがあると、それが赤ちゃんののど、声帯粘膜に付着することで引き起こされると考えられています。


 


ウイルスの影響で乳頭腫が発生すると声帯の振動が妨げられ、まず声枯れが起きます。腫瘍が声帯全体におよぶと、まったく声が出なくなることもあります。さらに腫瘍が増殖すると気道も圧迫されて狭くなり、呼吸困難や喘鳴(ぜんめい)といった喘息に似た症状が出ることもあります。酸素不足でチアノーゼになることもあるので、小さな子どもは特に注意が必要です。現状では確立した治療法はなく、腫瘍の切除手術で対処するしかありません。しかし、切除しても再発の可能性は極めて高く、根治は困難とされています。本来は良性の腫瘍ですが、まれにがん化することもあります。”



"母親がHPVウイルスを持っていたら、必ず赤ちゃんに感染するというわけではありませんが、HPV感染症はHPVワクチンの接種さえしていれば防ぐことができる感染症です。(中略)いつか生まれてくる赤ちゃんのためにも、HPVワクチンの接種を積極的に考えてほしいと思っています。"


■HPVワクチンで防げる、咽頭乳頭腫とは?



いかがでしたか? このほかにも気をつけるべき感染症はありますが、まずは健やかな生活リズムと手洗いうがいで、ウイルスに感染しづらい体調管理を心がけるのが大切なポイントですね!


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