マタニティライフ、何を食べるべき? 何を食べちゃダメ?
インタビュー 妊娠・出産
マタニティライフ、何を食べるべき? 何を食べちゃダメ?
妊娠中は食事にどう気を付ける? NGフードからおすすめのものまで、くさなぎマタニティクリニックの齋藤緑先生に伺いました。
妊娠中の食事は、何にどこまで気を付ければいいのでしょうか? NGフードから積極的に食べたいものまで、くさなぎマタニティクリニックの齋藤緑先生にお聞きしました。
目次
- 初期は「食べられるものを食べられるだけ」
- 生もの、生魚などには注意が必要
- 妊娠期間中を通じて取りたい葉酸
- 妊娠中~後期は栄養バランスに気を付けて
- カフェインや嗜好品との付き合い方
- 旬の食材を活かして、おいしいマタニティライフを
初期は「食べられるものを食べられるだけ」
個人差もありますが、もっともつわりがひどいのは妊娠10週ぐらいで、その後はやわらいでくる人が多いです。食べられないと不安になりますが、この時期は食べ物が摂取できなくても水分がとれていれば基本的には大丈夫です。
というのも、食べられなくても、お母さんの体内では、母体の筋肉や脂肪組織の中から栄養素を取り出し、優先的に赤ちゃんに送るという現象が起きます。ですから、妊娠初期は「食べられるものを、食べられる時期に、食べられるだけ」で赤ちゃんはちゃんと育ちます。よく「2人分食べないと」と言われますが、1人分とれれば十分と考えてOKです。
比較的食べやすいのは、匂いがきつくないものや冷たいものという人が多いようです。グレープフルーツやイチゴ、ミカンなどのフルーツや、プチトマト、キュウリなどの野菜なら食べられるのでは。私自身は、ほうれん草のおひたしなども食べやすかったです。ほかには、そうめんや冷たいうどんなどがすっきりと食べられます。冷奴は、豆腐に植物性たんぱく質なども含んでいるのでおすすめです。
ただ、赤ちゃんに栄養を送るために水分は不可欠なので、水分すらとれず脱水症状になるようなら、点滴などの処置が必要です。早めの段階で、かかりつけ医に相談するようにしましょう。
生もの、生魚などには注意が必要
妊娠期間中を通じて取りたい葉酸
妊娠中~後期は栄養バランスに気を付けて
妊娠16~27週、そして27週以降と、お腹の中の赤ちゃんが大きくなるにしたがって、栄養摂取の推奨量が増えていきます。初期(~16週)は+50㎉、中期(16週~28週)は+250㎉、後期(28週~)になると+500㎉と、妊娠前の食事量から軽く一食分増えるぐらいで考えてください。もちろん栄養バランスをしっかり考えることが大事です。
積極的に取りたいのは鉄分やたんぱく質、青魚の中に入っているドコサヘキサエンサン(DHA)、食物繊維、カルシウムなどです。
妊娠期間中には、8~9割の妊婦さんが貧血になると言われています。赤ちゃんが育つと胎盤も大きくなり、そこに貯蓄される血液も増えるため、お母さん自身が使える鉄分が減ってしまうからです。
鉄分を食べ物からとるなら、肉類や魚の血合がおすすめです。鉄分はビタミン類と一緒にとると吸収が良くなるので、野菜や果物と一緒に食べることを心がけてみてください。
カフェインや嗜好品との付き合い方
旬の食材を活かして、おいしいマタニティライフを
秋の食材でおすすめのレシピを考えてみました。彩り豊かな和風のレシピです。
ドコサヘキサエンサンを含む青魚(焼き魚)。栗おこわ。ほうれん草のおひたしには葉酸が豊富です。鉄分たっぷりのひじき煮。野菜の味噌汁は食物繊維、釜揚げシラスといんげんの小鉢でビタミンやカルシウムを補えます。食べ応えがあって1食のカロリーは約700㎉。基本、和食中心のメニューで薄めの味付けを心がけてみて下さい。
齋藤先生より まとめ
ダメなもの、気を付けるものを挙げればきりがありませんが、妊娠期間中、何よりも大敵なのはストレスです。食べられないものを無理に食べようとしたり、食べたいものをひかえたりしてストレスがたまるようでは逆効果。節制が辛いと感じたら、間食にフルーツやヨーグルト、寒天などをうまく使ったり、ほかの食品で代用するなどして、ストレスのない毎日をお過ごしくださいね。