高齢のため移植まで至りません。
専門医Q&A 不妊治療
パンジーさん(46歳)
30歳の時、最初の妊活を開始。フーナーテストで男性不妊が発覚しました。
その後、顕微授精1回目で妊娠、出産。2人目にトライするも陰性に。
当時は刺激法しか知らず通院が困難になり、一度は断念しました。
でも諦めきれずにいたところ、2017年5月に受けた検査でE2が700あることがわかり、「まだ妊娠できるのではないか」と思い、不妊治療を再開しました。
最近1年間で採卵10回中、2回は授精確認後2,3日目で分割停止、8回は空胞か変性卵か、排卵済。
卵子の老化、直近の血液検査ではE2が25、FSHが60と閉経移行期です。もう諦めるべきですか?少しでも妊娠、出産に至る何かよい方法はないでしょうか?健康状態は良好です。
E2が25でFSHが60なのは閉経移行期なのでしょうか。
花岡先生:
この数値だとすでに閉経移行期に入っているように見受けられます。
ただし、閉経移行期にうつったからといって1つも採卵できないわけではありません。とは言え、採卵できる確率や、赤ちゃんになる力をもった卵が採れる確率は、年齢が若いときに比べて低下していきます。
高齢でも採卵、移植、妊娠に至る確率の高い治療法はありますか
1年前の血液検査でE2が700ありましたが、現実的には諦めるべき?
花岡先生:
1年前の血液検査で卵を育てる役割を担うホルモンE2の数値が700pg/mLだったということですが、完全に閉経してなければ、ときどきE2の数値が高くなることはあります。
パンジーさんと同じ40歳代の方の平均妊娠率がおおよそ5%※1だとすると、数字の上では妊娠に至るまでに、多いと20回くらい移植をする可能性があります。
実際に20回もやるのは現実的に時間もお金もかかり、体への負担も大きいので、難しいと思います。
治療を諦めるか、続けるかの最終判断をするのは患者さんご自身になりますが、当院では、その判断材料の1つといて、現実的な妊娠できる可能性については、正直にお話するようにしています。
もちろんそのうえで「もう少し続けたい」という患者さんには、妊娠を目指して一緒にがんばらせていただきます。
注 ※1「日本生殖医学会」の不妊症Q&AのQ18「女性の加齢は不妊症にどんな影響を与えるのですか?」の回答文より