流産、一体なぜ?年齢差があると妊娠は難しい?
専門医Q&A 不妊治療
流産、一体なぜ?年齢差があると妊娠は難しい?
初めての妊娠、21週で流産…年齢差で妊娠の可能性は変わるのでしょうか?原因明大前アートクリニックの北村 誠司先生に伺いました!
相談者:ぴこ美さん(30代前半)
妊娠の可能性はありますか
"はじめましてぴこ美です。30代前半です。
今月21週で流産してしまいました。
初めての妊娠でした(結婚して1年以内の自然妊娠)。
ドクターからは「はっきりした流産の原因はわからない、可能性は無限にある」と言われました。ちなみに細菌の数値(常在菌?)は特に問題なかったので、感染の可能性は低いと思われるがそれも断言できない。子宮の問題もあるかもしれないし、あるいはもともと胎児側の問題もあるかもしれないと伝えられました。
胎盤の検査も出していますが、まだ結果は出ていません。ただその結果からもはっきりとしたものが出る可能性は低いと言われました。
安定期に入ってからの流産なので、確率的にはかなり低いのに何で?という疑問でいっぱいです。また原因がわからないため次の妊娠が怖いです。
そこでご相談したいのは次の2点です。
①今後の妊娠に備え、できる範囲の検査(子宮、血液、染色体等)をした方がよいでしょうか。その場合、医療機関を選ぶポイントがあれば教えてください。
②旦那との年の差があり、旦那は現在50代後半です。妊娠の可能性は低いでしょうか。あきらめた方が良いのでしょうか。
北村 誠司先生(明大前アートクリニック)
できる範囲の検査をしたほうがいいでしょうか?
現在妊娠初期の流産は約15%でさほど珍しいことではないですが、妊娠中期(20週前後)での流産の確率は2%以下とも言われています。
ご夫婦ともに相当ショックだったことでしょう。
胎盤の検査をされているとのことですが、検査によって胎盤に血栓や塞栓を起こしていなかったか、染色体異常がなかったかなどを調べることができますが、担当の先生がおっしゃる通り、原因が特定できることが少ないのが実情です。
最初のご質問、できる範囲の検査をしたほうがいいでしょうか? については、できるなら検査するのがおすすめです。自然妊娠をされてはいますが、子宮に奇形(双角子宮、弓状子宮、子宮が2つに分かれている、違う形をしているなど)があると、流産しやすくなりますので子宮卵管造影検査は受けておいても良いと思います。
子宮内膜ポリープがあれば今後の妊娠の妨げにもなりますし、卵管の疎通性、腹腔内に癒着がないかなども確認しておけます。
血液検査では、女性ホルモンに異常がないかを調べることができます。医療機関については、ふつうに近所の産婦人科などや総合病院に行くより、検査を得意としている病院をしっかり調べて行ってみるとよいと思います。
染色体の検査についても質問されていますが、流産を何度も繰り返して「不育症」の疑いがある場合はおすすめしますが、現時点で必要性は低いと考えます。
妊娠の可能性は低いでしょうか?
ご主人と年齢差が20歳以上あるとのことで、妊娠の可能性は低いでしょうか?というご質問ですが、男性も年齢が上がるにつれて、精子の所見も運動率も悪くなるということが裏づけられつつあるので、ご主人にも精子検査を受けてもらうとよいでしょう。
ただ、50代、60代のご主人を持つカップルで妊娠された例は少なからずあるので、妊娠をあきらめる必要はありません。
万が一ご主人の精子の結果が悪かったとしても、顕微授精という方法もあります。
ぴこ美さんの今後の妊娠への心配、ご主人の年齢、両方を考えると、まずはお二人で不妊治療専門の施設で一通りの検査を受け、検査結果に基づいて今後の方針を決めていくのが
効率的で、一番良いと思います。