「ロング法が一番質のいい卵子が採れます」と言われます。結果が出ていないので排卵誘発の方法を変えたほうがいいのではないでしょうか。【福田 勝先生】
「ロング法が一番質のいい卵子が採れます」と言われます。結果が出ていないので排卵誘発の方法を変えたほうがいいのではないでしょうか。【福田 勝先生】
「ロング法が一番質のいい卵子が採れます」と言われます。結果が出ていないので排卵誘発の方法を変えたほうがいいのではないでしょうか。【福田 勝先生】
ドロシーさん(41歳)
■ 移植や排卵誘発はどんな方法を選んだらいいのですか?
今までロング法での採卵を3回、移植を4回しています。1回目の採卵では受精卵12個、2回目の採卵では受精卵7個、3回目の採卵では受精卵8個できています。グレードも毎回よく、先生も「ロング法が一番質のいい卵子が採れます」と言っています。でも、結果が出ていないので排卵誘発の方法を変えたほうがいいのではないでしょうか。年齢が高いのでショート法とかがいいのでは?
ジネコ:ドロシーさんはロング法で3回卵巣刺激をされていますが、このまま同じ方法を続けていってもいいのでしょうか。
福田先生:41歳という年齢でもしっかり卵子が採れていて、受精卵のグレードもいいということ。僕はロング法でも特に問題はないと思いますね。
ジネコ:「ロング法は年齢の高い人には向かない」ということを聞きますが、その点はどうですか?
福田先生:年齢が高い方でも、ドロシーさんのようにロング法でいい反応をする方もいます。実年齢と卵巣年齢が違う方もいるのですね。卵巣年齢が若ければ、ロング法でもいいのではないでしょうか。先生も卵巣の状態をきちんと評価したうえでロング法を選択されているのだと思います。 採れる卵子の数が少なかったり、受精卵のグレードがよくない場合は、卵巣刺激法の変更が必要になってきますが、グレードのよい受精卵ができるということであれば、もう少し同じ方法を試していってもいいのではないでしょうか。
ジネコ:グレードのよい受精卵でも、なかなか結果が出ないのはどこに問題があるのでしょうか?
福田先生:卵巣刺激の方法に疑問を持たれていますが、問題はその先にあるのではないでしょうか。質問には移植の方法が書かれていませんでしたが、もしかしたら胚の戻し方に工夫が必要なのかもしれません。 質のよい卵子が採れたら、それをどうするのか。胚盤胞で戻すのか、初期胚で戻すのか。新鮮胚、もしくは凍結したものを戻すのか。凍結胚を自然周期で戻すのか、人工周期で戻すのか。このように胚の戻し方をどうするかで、結果も変わってくるのではないかと思います。 いい卵子を採るために卵巣刺激法を的確に選ぶことは重要ですが、胚の戻し方も妊娠に大きく影響する部分です。選択肢や組み合わせはいくつかあるので、試して結果を評価しながら合ったものを選んでいく。ドロシーさんの卵巣機能はまだ高いようなので、この点にも着目していけば、妊娠されるチャンスは十分あると思います。
順天堂大学医学部・同大学院修了。米国カリフォルニア大学産婦人科学教室留学後、順天堂大学医学部産婦人科学教室講師を経て、1993年福田ウイメンズクリニック開院。プライベートでは先生はゴルフ、奥さまはテニスと、ご夫婦でスポーツが趣味。メジャーリーグ、ヨーロッパサッカー、ゴルフ、テニスなど、テレビでスポーツ観戦するのもいい気分転換になるとか。