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体外受精を何度しても‥

専門医Q&A 女性の健康

体外受精を何度しても‥

「今後も治療を続けていくつもりですが、これだけAMHの値が低いと妊娠する可能性も低いのかと心配になるし、34歳から体外受精を続けていてもすべて陰性なのに陽性になることはあるのか不安です。」

2013.2.11

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マヨンさん(37歳)


卵管さいが反対の方向を向いているということでピックアップ障害と診断され、地元の病院で4回の体外受精を行い、すべて陰性。その病院の紹介で北九州の有名な病院に転院して3回顕微授精を行いすべて陰性。今年新たに転院をして検査を受けてみると、抗ミュラー菅ホルモンの値が0.38と非常に低く、フェマーラ法を薦められ治療を行っています。病院の先生のお話ではAMHの値は卵子の質を表していないでまだ37歳だから大丈夫と言われましたが、1回目のフェマーラ法もうまくいかず、初めて授精もしませんでした。この数値を聞き、これまでの治療がうまくいかなかったことが納得した。今後も治療を続けていくつもりですが、これだけAMHの値が低いと妊娠する可能性も低いのかと心配になるし、34歳から体外受精を続けていてもすべて陰性なのに陽性になることはあるのか不安です。インターネットで調べてみると妊娠率は回数を重ねても上がらず、5回くらいには結果が出ると書かれてあるので、これ以上やっていても妊娠する確率は低いのかと心配です。今通っている病院のカルテには「卵巣機能不全」と書かれてあるのに、先生は私が不安にならないように、その病名は言ってはくれず(私も怖くて聞けません)「大丈夫です。」と言われるし、セカンドオピニオンを受けたくて投稿しました。あともう1つ考えられる不妊の原因として仕事量が多く、体が非常に疲れていることと仕事のストレスで寝れないこともよくある。よろしくお願いします。




お話を伺った先生のご紹介

原利夫 先生 (はらメディカルクリニック)


赤ちゃんが出来にくいという状態は、医学的な側面と環境的な側面の両面、言い換えますと、心と体のバランスの解決が必要であると考えております。
最近では、体外受精などの先進的な医療の妊娠率にとらわれがちですが、私達医師は、妊娠しやすい安心できる環境と、それをサポートする医学的な力を提供すべき使命があると考えています。
三人四脚で新しい家族の誕生をお手伝いすることが出来れば幸いです。

院長 : 原 利夫 (はら としお)
医学博士。58年慶応義塾大学大学院医学研究科修了にて医学博士学位を取得する。同大産婦人科助手を経て、62年東京歯科大学市川病院講師、平成元年千葉衛生短大非常勤講師となる。この間、日本初の体外受精凍結受精卵ベビー誕生のスタッフとしても活躍する。


≫ はらメディカルクリニック




セカンドオピニオンを受けたいということですので、今までの経過、疑問点について回答させていただきます。
まず、抗ミュラー管ホルモン(AMH)の値が低いということですが、他の病院でも言われているように、AMHは卵巣に残っている卵胞の数を予測するもので、卵子の質を予測しているわけではありません。採卵数が少なくても質の良い卵が採ることができれば、妊娠する可能性はあります。また、数回採卵されていますが、どの誘発方法でも卵は採れていますので、AMHの値に関しては現状では気にされる必要はないと思います。
現在、フェマーラにて治療中とのことですが、フェマーラはレトロゾールとも呼ばれているお薬で、不妊治療に使われる場合と、閉経後の乳がんの治療として用いられる場合があります。フェマーラはアロマターゼの活性を阻害することにより、エストロゲンをつくる働きを抑える作用があり、不妊治療ではクロミフェンと同じく、排卵誘発剤として用いられています。
フェマーラのメリットは、クロミフェンのように頸管粘液が少なくなったり、内膜が薄くなるような副作用がほとんどないことです。次回もフェマーラで誘発されるとのことですので、その結果によりお体に合うか合わないかご検討されてはいかがでしょうか?
精子所見に関しては、精子濃度が「152」となっていますが、152×106/mL(1億5千2百万/mL)であれば問題ないと思います。また、体外受精を行われているようですので、そこまで悪い所見ではないと思います。
また、卵巣機能不全という病名についてですが、卵巣機能不全とは、卵巣の機能である「卵子を育て排卵させること」、「女性ホルモンを分泌し女性の体を維持すること」、これらの機能が低下した状態を指します。多くの方に当てはまる病名ですので、そこまで病名を気になさらなくても良いと思います。ただ、卵巣機能不全の原因の一つとして、精神的ストレスが挙げられます。仕事量が多く、ストレスで睡眠も妨げられているようですので、少し仕事量を減らす、またはお休みされることをお勧めいたします。また、カウンセリングを受けてみたり、鍼や漢方、ヨガなどの統合医療を併せて行ってみてはいかがでしょうか?





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