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帝王切開瘢痕症候群について

専門医Q&A 女性の健康

帝王切開瘢痕症候群について

「2人目後の生理は、排卵日までダラダラと茶色いおりものが続く事が多いため、帝王切開瘢痕症候群かピックアップ障害ではないかと、心配しています。」

2013.9.3

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まるさん(32歳)


二人目不妊で悩んでいます。悩み始めてから2年目くらいから不妊治療専門病院に通いました。
色々調べて、人工授精を3回行いました。3回ともタイミングはとても良い状態でして頂いたような気がしなす。でも、基礎体温では、全く妊娠反応のないまま生理がきてしまいました。
2人目後の生理は、排卵日までダラダラと茶色いおりものが続く事が多いため、帝王切開瘢痕症候群かピックアップ障害ではないかと、心配しています。
もし、帝王切開瘢痕症候群だった場合は、妊娠していたら、高温期の延長など少しは妊娠反応が出るものなのかという事と、体外受精した場合、この子宮に着床出来るのかを教えて頂けたら幸いです。




お話を伺った先生のご紹介

原利夫 先生 (はらメディカルクリニック)


赤ちゃんが出来にくいという状態は、医学的な側面と環境的な側面の両面、言い換えますと、心と体のバランスの解決が必要であると考えております。
最近では、体外受精などの先進的な医療の妊娠率にとらわれがちですが、私達医師は、妊娠しやすい安心できる環境と、それをサポートする医学的な力を提供すべき使命があると考えています。
三人四脚で新しい家族の誕生をお手伝いすることが出来れば幸いです。

院長 : 原 利夫 (はら としお)
医学博士。58年慶応義塾大学大学院医学研究科修了にて医学博士学位を取得する。同大産婦人科助手を経て、62年東京歯科大学市川病院講師、平成元年千葉衛生短大非常勤講師となる。この間、日本初の体外受精凍結受精卵ベビー誕生のスタッフとしても活躍する。


≫ はらメディカルクリニック




一人目を帝王切開で出産され、二人目不妊で悩まれているとのことですが、
まず、二人目不妊の最大の原因と言われているのが、『年齢』です。
妊娠能力は年を取るごとに低下していきますし、女性の体は日々変化していますから、一人目の時には問題がなくても、出産後、ホルモンバランスが崩れて、二人目が出来にくい体になってしまっている場合があります。
さらに、体重の増加や座ったままの姿勢が多いライフスタイル、甲状腺の病気、糖尿病などが二人目不妊の原因となる事もあります。
前の出産時に出血が700cc以上あった方、胎盤剥離に20分以上かかった方、分娩後に発熱したという方も二人目不妊になりやすいといわれています。
また、帝王切開瘢痕症候群とは、帝王切開の際にできた子宮の傷跡(凹み)に血液(経血)が溜まることにより、貯留した血液が受精卵の発育を阻害したり、あるいは、精子が子宮の中に入ることを阻害することで、不妊に繋がるのではないかと考えられています。
症状としては、貯留している血液が徐々に排出されるため、生理が終了した後も排卵期にかけて黒褐色の血液が続く事や、経血の排出障害による生理痛、不妊があげられます。
治療としては、子宮鏡下や腹腔鏡下での修復術が主な治療法となります。
ピックアップ障害とは、卵巣から排卵した卵子は卵管采から卵管内に取り込まれますが、この取り込みがうまくいかないことをいいます。
子宮内膜症やクラミジア感染症などによる卵管炎や、子宮周囲の癒着が原因となる場合と、
検査で異常を認められず原因がわからない場合とあります。
出産後の生理が、排卵日までダラダラと茶色のおりものが続くことが多いとのことで、帝王切開瘢痕症候群にも当てはまる症状ではありますが、最初に述べたような原因も考えられるため、出血だけでは断定できません。
帝王切開瘢痕症候群の場合、超音波や子宮鏡で診断が可能ですので、一度、検査を受けられることをお勧めします。
また、帝王切開瘢痕症候群で体外受精を希望される場合も、まず検査を受け、治療が必要となった場合、しっかり修復術を受ければ、その後の体外受精でも、着床・妊娠の可能性は十分考えられると思います。
妊娠していた場合の反応についてですが、帝王切開瘢痕症候群だからなかなか妊娠に繋がらないという事はあっても、妊娠が成立した後の反応が他と違うという事は無いと思われます。ですから、妊娠していれば、妊娠反応はしっかり確認できます。





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