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保険診療と自由診療の判断

専門医Q&A 女性の健康

保険診療と自由診療の判断

2014.3.13

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くろたんさん(30歳)

はじめまして。
先日、初めての顕微授精をして、「中度のOHSS(腹水なし卵巣8センチ)」と診断され、全胚凍結となりました。
OHSSの為、顕微授精のスケジュールとは別に、医師の指示で1日置きに通院し、毎回採血と内診エコーをしています。

私のように、自由診療の副作用で病気になった場合は、その治療代に関しても保険は適応されないのでしょうか?

3回とも、全て自由診療扱いなので、2回目の診察の際、入院を勧められさましたが、請求が怖くて断ってしまいました。

以前、別の病院で人工受精を行った際、セロフェンの副作用で同じく卵巣が少し腫れました。
その時は保険診療扱いでした。

保険診療かどうかは全国同じだと思っていましたが
病院や先生によって、保険診療かどうかは変わるのでしょうか?


お話を伺った先生のご紹介

藤野祐司 先生 (なかむらレディースクリニック)


1979年
大阪市立大学医学部卒業

1985年
大阪市立大学医学部大学院医学研究科外科系修了
     新千里病院(現済生会千里病院)産婦人科勤務
1988年
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室助手

1989~1990年
UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)留学

1993年
大阪市立大学医学部産科婦人科学教室講師

1997年
藤野婦人科クリニック院長・大阪市立大学医学部非常勤講師


医学博士 日本産科婦人科学会専門医
     日本生殖医学会生殖医療指導医

日本産科婦人科学会会員・日本生殖医学会評議員・日本受精着床学会評議員
アメリカ生殖医学会会員・ヨーロッパヒト生殖医学会会員



≫ なかむらレディースクリニック

 体外受精は自由診療で保険適応外ですが、治療の結果として起こった卵巣過剰刺激症候群(OHSS)であれば、治療に関しては適応の範囲内ではないでしょうか。ただし、治療の内容、使用薬剤などに保険適応があるかどうかは注意が必要です。また卵巣過剰刺激症候群の治療ということで、別の病院へ担当の医師から紹介状を書いてもらうなどして、不妊治療実施施設とは別の総合病院などで治療を行うことも可能だと思います。そうすれば健康保険で治療をカバーできますので、それほど高額にならずに、安心して治療を受けられるのではないでしょうか。

 月経周期が62〜64日と、ほぼ1月置きとのこと。年齢もまだお若いし、これだけ排卵までに時間がかかるということは、多嚢胞性卵巣症候群である可能性が高いと思います。おそらくセロフェンやhMGなどの排卵誘発剤投与に対する卵巣の反応が良好すぎるのでしょう。結果、体外受精のための卵巣刺激で、18個もの採卵が可能だったということだと思います。それだけ多嚢胞性卵巣症候群の方の体外受精は、排卵誘発剤の使用による卵巣過剰刺激症候群を起こすリスクが高いということです。今後は症状が治まるのを待った後、2〜3周期あけて、治療を再開されるのがよいでしょう


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