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生理前の下腹部の張りについて

専門医Q&A 女性の健康

生理前の下腹部の張りについて

2014.9.22

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ラナンキュラスさん(31歳)

今回初めて質問させていただきます。
よろしくお願い致します。

生理予定日1週間前くらいより基本的には夕食後下腹部がパンパンに張ります・・・。
時には張りが強すぎて階段の上りがかなり大変です。
生理前には夕飯をあまりたくさん食べないようにしてはいるのですが、ついうっかり食べ過ぎるとすごく張ります。
これは生理前症候群でしょうか?
あまりにきついならば治療したほうが良いでしょうか?

夫婦で子供を望んでおります。子作りを始め1年が経過しますがなかなか授かりません。
生理前症候群と不妊はなにか関係ありますか?



お話を伺った先生のご紹介

古井憲司 先生 (クリニックママ)


クリニックママでは1998年の開業以来、すべての方へ最適な医療を提供するという基本方針のもと、医療に従事してまいりました。私たちの考える最適な医療とは、ご本人の意思を尊重し、その立場に立って、安全で高度なオーダーメイドな医療を提供することです。

分かりやすく言えば、例えば分娩についてなら、それぞれの患者様における分娩のリスクを十分に説明し、そのリスクについての対処方法をご本人に説明し、理解していただいた上で治療を進めていくということです。そのために、最新の医療設備を整え、経験豊富な産婦人科医と助産師、看護師、その他のスタッフが協力し、医療技術の向上にも努めています。

また不妊症治療については、検査の種類、方法、その意義について十分ご本人様に説明し、その患者様に合ったオーダーメイドな治療を考え、そしてその治療について十分に時間をかけて患者様に説明し、同意を得てから治療に入りたいと考えています。さらに我々は、常に高い医療レベルを維持するために全国レベルの不妊症関連の学会で発表したり、国内外で論文を発表したりしています。

さらに我々は、出産についての不安、不妊や女性特有の疾患についての悩みなど、「からだ」だけでなく「こころ」のケアも大切にしたいと考えています。特に不妊症の治療については長時間を要することもあり、今後の治療方針や将来について不安を抱いている方、周囲の方からの期待や何気ない一言に傷ついてみえる方も多いのではないでしょうか。ご本人やご家族の中で、少しでもそうした不安がある場合は遠慮なくご相談ください。

すべての女性とその家族が豊かな人生を送ることができるよう、サポートさせていただけたらと思います。


経歴:
S61年 医師国家試験合格
S61年 大垣市民病院にて初期研修
S62年 名古屋大学産婦人科学教室入局
S62年 岡崎市民病院に産婦人科医として勤務
H3年 名古屋大学付属病院に産婦人科医として勤務
H6年 名古屋大学付属病院の文部教官に就任
H6年 医学博士号取得
H7年 大垣市民病院の産婦人科医長に就任
H7年 西濃地区で始めて体外受精胚移植による妊娠に成功
H10年 クリニックママの院長に就任

認定資格:
日本産科婦人科学会 専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
医学博士
論文名「Identification of Two Point Mutations in the Gene Coding Luteinizing Hormone (LH) β-Subunit, Associated with Immunologically Anomalous LH Variants」

所属学会:
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本受精着床学会
生殖バイオロジー東京シンポジウム世話人
東海ARTカンファレンス世話人
岐阜ARTセミナー世話人
日本レーザーリプロダクション学会評議員
岐阜県産婦人科医会評議員



≫ クリニックママ

 生理前症候群とは、医学的には月経前緊張症といいます。症状としては月経前に吐き気や腹痛、頭痛などが起こるのが一般的で、下腹部の張りも月経前緊張症のひとつです。治療法としては、今年から保険適用になった子宮内で持続的に黄体ホルモンを放出することによって月経量を軽減するミレーナという避妊リングや低用量ピルなどがありますが、いずれも妊娠したいのであれば使えません。漢方で対応することもありますが、どの程度効くかは個人差があります。

 基本的には月経前緊張症がどうして起こるかは不明です。一方、既往歴を見る限り、卵巣腫瘍は子宮内膜症が原因である可能性が高いと思います。子宮内膜症がある人は、基本的に月経困難症になりやすいですし、内膜症が原因で月経前緊張症が起こる可能性もあります。また、2回の開腹手術によって、腹腔内に手術後の癒着を起こしている可能性もあり、それが下腹部膨満感の原因になっていることも考えられます。

 このような場合、最も良い治療法は妊娠することです。GnRHアゴニストであるリュープリンやゾラデックスといった内膜症治療薬もありますが、注射をやめるとまた病勢は増悪し、閉経まで繰り返します。逆に妊娠すれば月経が止まり、内膜症の進行も抑えてくれます。月経前緊張症の治療よりも挙児希望があるのであれば、まず不妊治療を優先することをおすすめします。


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