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2回の絨毛膜羊膜炎

専門医Q&A 女性の健康

2回の絨毛膜羊膜炎

「凍結胚があるため、時期を見て再度移植をしたいと思っているのですが、たとえば移植前に何らかの検査等をして、絨毛膜羊膜炎の原因となるような細菌?の有無等を調べることはできるのでしょうか。」

2015.3.5

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KYTSさん(37歳)


ご質問させていただきます。
現在4歳と2歳の子どもがいます。昨年末に第3子・4子のMD双胎を17週で流産しています。ちなみに、全員不妊治療(顕微授精)によって妊娠しており、第1子は新鮮胚移植・第2子は凍結胚移植での妊娠です。
今回の流産の原因は、絨毛膜羊膜炎による前期破水でした。実は第2子も絨毛膜羊膜炎が原因で28週で早産となっております。
主治医に「2回絨毛膜羊膜炎となっているが、これはなりやすい体質等はあるのか。妊娠前、もしくは妊娠後でも何か予防や対処のしようがあるのか」について質問しましたが、
○体質等によるものではなく、たまたま2回続いてしまったという認識である
○妊娠初期では対処に限界がある。強いて言えば、10週台の張りは異常であるため、張り・おりものの増加等を認識した時点で受診するということぐらいか
との回答をいただきました。
まだ凍結胚があるため、時期を見て再度移植をしたいと思っているのですが、たとえば移植前に何らかの検査等をして、絨毛膜羊膜炎の原因となるような細菌?の有無等を調べることはできるのでしょうか。
もし移植前にできることがあればしておきたいと思い語質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。





お話を伺った先生のご紹介

堀川隆 先生 (高崎ARTクリニック)


琉球大学医学部を卒業後、国立国際医療センター、国立成育医療センター不妊診療科勤務を経て、平成21年9月より高崎ARTクリニックにて勤務。平成21年12月より院長。
国際医療センター勤務時より内視鏡手術・生殖補助医療に従事、成育医療センターでは難治性不妊診療・加齢と不妊についての研究に取り組む。
日本産科婦人科学会認定医。日本哺乳動物卵子学会生殖補助医療培養士。


≫ 高崎ARTクリニック




絨毛膜羊膜炎というのは、胎盤になる部分が雑菌に感染し、炎症を起こしてしまうものです。膣内には正常な細菌もいるのですが、そうではない悪い細菌が外から入ってきて繁殖しまう。感染すると、まず子宮の入り口が柔らかくなって頸管炎を起こします。さらに、細菌がもっと奥に進入すると、羊膜という赤ちゃんを包んでいる膜や絨毛が感染してしまうんですね。悪いものを外に出そうとして子宮が収縮。つまり、陣痛が起きて破水し、早産になってしまうことがあります。
原因として考えられるのは避妊をしない性交渉のほか、「膣を清潔にしすぎることで雑菌が増えてしまう」という報告もあります。ビデやシャワーなどで必要以上に膣を洗いすぎると正常な菌まで洗い流してしまい、バリアがなくなることで悪い菌が増殖する可能性があるということです。体質的に感染しやすいかどうかはわかりませんが、もしこのような習慣があるようでしたら、改善することで少しでも予防につながるのではないかと思います。
妊娠後は節目節目で子宮頸管の感染を確認していくと思うので、繰り返されるようなら、それをこまめにやっていただくとか。移植前の場合、感染の検査としてクラミジアなどはスクリーニング的にチェックしています。ご心配であれば、移植の前の周期にも頸管の細菌を調べることはできるので、一応調べてみてはいかがでしょうか。





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