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卵管切除術について

専門医Q&A 女性の健康

卵管切除術について

「前病院では通っていた右側の卵管ですが、治療の途中で閉塞してしまうことはありますか??クラミジアの検査では、過去において感染したという項目で陽性反応でした。炎症が進んだのでしょうか??」

2017.6.9

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ももさん(38歳)


不妊治療歴10ヶ月です。
卵管造影検査を2回受けました。
1度目は卵管は通っていたもの、翌日のレントゲン写真では造影剤が拡散しておらず、卵管癒着と診断されました。クラミジアの検査では陽性。
妊娠しにくいと診断され、タイミングから治療が始まりました。6回試しましたが妊娠せず、その後3回人工授精をしても妊娠しませんでした。
病院を変えて、もう一度卵管造影検査を受けたところ、右側の卵管は閉塞、左側は卵管癒着でした。
それで、両側の卵管の切除手術を勧められました。
体外受精し、受精卵を移植した際に、水分が着床するのを妨げると言われました。
卵管閉塞や卵管癒着の場合は卵管切除術を受けなければならないのでしょうか??
前病院では卵管癒着と診断されましたが、手術の話はありませんでした。体外受精までステップアップしていなかったからでしょうか??
また、前病院では通っていた右側の卵管ですが、治療の途中で閉塞してしまうことはありますか??
クラミジアの検査では、過去において感染したという項目で陽性反応でした。炎症が進んだのでしょうか??
質問が多くてすみません。




お話を伺った先生のご紹介

石原尚徳 先生 (久保みずきレディースクリニック(菅原記念診療所))


「あかちゃんがほしい」
「元気なあかちゃんを授かりたい」
という強い願い、永遠の願いがあります。
でもなかなか授からないご夫妻にとって不妊は深刻な問題です。
ご安心下さい。産婦人科の不妊症の治療は日々進歩しています。特に体外受精を含めた生殖補助技術の進歩は眼を見張るものがあり、不妊でお悩みの多くの方につぎつぎと朗報がもたらされています。「不妊治療」をマラソンにたとえるならば、「出産」は山登りのようなものです。 どちらもお一人では大変です。ご主人やたくさんの仲間、そして専門のスタッフと一緒に頑張って行きませんか?われわれスタッフ一同も皆様のあかちゃんからたくさんの元気球をいただいています。また、ご家族と一緒に、より貴女らしいお産にお応えするため、ひなた助産院を開設しています。
どうか皆さんも 『かわいい赤ちゃんと出会うことができるように』という強い願いを持って『妊娠』そして『出産』という夢に向かって頑張っていきませんか?
学歴
高知医科大学卒業/神戸大学医学部大学院卒業
職歴
平成11年~平成14年 兵庫県立成人病センター
平成14年~平成20年 兵庫県立こども病院


≫ 久保みずきレディースクリニック(菅原記念診療所)




卵管切除の判断は、卵管水腫があるかどうかがポイントになります。卵管水腫といわれているのであれば、着床の妨げになる卵管内の液体を子宮内に流入させないために卵管切除や卵管クリッピング手術が必要になります。一般的な卵管閉塞や卵管癒着であれば、卵管切除する必要は基本的にないと思います。
 卵管閉塞、卵管癒着、卵管水腫は、子宮内膜症、感染症、虫垂炎などによって起こります。なかでもクラミジアに感染すると子宮頚管炎などの炎症が卵管に上がり、卵管の閉塞、癒着、水腫を発症するほか、卵管采周囲癒着を併発することがあります。クラミジアは抗原検査や抗体検査で感染の有無を確認できます。これらの状態は卵管造影検査や腹腔鏡で確認することができます。
 今後の治療法は年齢によって異なります。35歳未満の場合、卵管閉塞であればFT(卵管鏡下卵管形成術)、卵管癒着や卵管采周囲癒着であれば腹腔鏡手術で癒着剥離術を行います。この方は38歳ですので、早めの体外受精をおすすめします。
 また、先ほどもお話した通り、卵管水腫がある場合は着床率が低下する可能性がありますので、卵管切除や卵管クリッピング手術が必要です。手術することで妊娠の確率は高くなります。体外受精をされていて受精卵を移植できる状態でしたら、手術を受けられるべきでしょう。





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