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多核胚につきまして

専門医Q&A 女性の健康

多核胚につきまして

「多核胚由来の胚盤胞で妊娠出産の可能性はありますか？また、移植するとしたらどのグレードからがいいと思いますか？」

2017.10.28

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mmさん(42歳)

二回採卵しました
一回目は
4個とれて２個受精
・3日培養 2グレード14cell
・胚盤胞3 CBになりました
二回目は
12個とれて10個受精
・3日培養グレード2 7cell
胚盤胞
・4ab 2個多核胚
・4ac ２個
・3ab 1個多核胚
胚盤胞になる確率などは普通かと思うのですが、多核胚の確率が多いようです
特にグレードが上のものが多核胚でショックです
多核胚でも胚盤胞になれば移植する病院に通院しています。
多核胚由来の胚盤胞で妊娠出産の可能性はありますか？
また、移植するとしたらどのグレードからがいいと思いますか？
よろしくお願いします

お話を伺った先生のご紹介

石原尚徳　先生 (久保みずきレディースクリニック（菅原記念診療所）)

「あかちゃんがほしい」
「元気なあかちゃんを授かりたい」
という強い願い、永遠の願いがあります。
でもなかなか授からないご夫妻にとって不妊は深刻な問題です。
ご安心下さい。産婦人科の不妊症の治療は日々進歩しています。特に体外受精を含めた生殖補助技術の進歩は眼を見張るものがあり、不妊でお悩みの多くの方につぎつぎと朗報がもたらされています。「不妊治療」をマラソンにたとえるならば、「出産」は山登りのようなものです。どちらもお一人では大変です。ご主人やたくさんの仲間、そして専門のスタッフと一緒に頑張って行きませんか？われわれスタッフ一同も皆様のあかちゃんからたくさんの元気球をいただいています。また、ご家族と一緒に、より貴女らしいお産にお応えするため、ひなた助産院を開設しています。
どうか皆さんも『かわいい赤ちゃんと出会うことができるように』という強い願いを持って『妊娠』そして『出産』という夢に向かって頑張っていきませんか？
学歴
高知医科大学卒業／神戸大学医学部大学院卒業
職歴
平成11年～平成14年　兵庫県立成人病センター
平成14年～平成20年　兵庫県立こども病院

≫ 久保みずきレディースクリニック（菅原記念診療所）

多核胚は染色体異常が多いため、妊娠率が悪く流産率も高いとの考えから、以前はほとんど破棄されて、移植の対象にはならなかった時代もありました。しかし現在では実際に妊娠例もあり、染色体の検査をしても問題なかった胚も認められるというデータも出ています。胚盤胞までの培養技術も進んでいるので、多核胚であっても良好胚盤胞まで行っていれば移植の対象になるということで考えていいと思います。
多核胚になる理由としては、刺激法の問題などさまざま考えられていますが、まず年齢は関係あるだろうと言われています。ただ、いずれにしても、良好胚盤胞になっている段階で、多核だった細胞は淘汰され正常な細胞が増えていると思われます。
今回、グレードが上のものに多核胚が入っていたことで、気持ち的に葛藤があるのは分かります。どのグレードから移植するかは、担当される先生によって意見が分かれるところですね。４２歳ということですので、２個胚移植もひとつの手段かなと思います。初期胚と胚盤胞で2段階に移植する、もしくは胚盤胞を２個移植するなど、このあたりの組み合わせは担当の先生によりさまざまで、どれがいいとはなかなか言えないと思います。
ｍｍさんは、多核胚でも胚盤胞になれば移植する病院に行かれているということですので、それでいいのではないでしょうか。

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