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冷え性に良い漢方を教えてください。

専門医Q&A 漢方・鍼灸

冷え性に良い漢方を教えてください。

2012.6.6

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crisさん(43歳)

5年近く不妊治療を続けています。
3年ほど前からIVFに切り替えました。

結婚前から生理痛がひどい時もあり、
当帰芍薬散を服用していました。
結婚後、生理が不定期になり、不妊治療を開始しました。
3年ほど前には、基礎体温も平行なままで、
温経湯に切り替えたところ、高温期が数日現れ、
生理がきました。
(現在はホルモン治療をしているので、何もしないときの状態がわかりませんが、
たぶん、何もホルモン剤を服用しなければ、
生理もこないと思います。)

以来、温経湯を服用しています。

当時は冷え性がひどく、
下肢がどす黒くなっていました。
現在はずいぶん改善されましたが、
いまだに冷え性は続いています。

特に2月にホルモン療法を行ったときは、
むくみがひどく、今は水分摂取を控え、
六君子湯も併用したところ、
むくみがずいぶん改善しました。

暖かくなってきたからか、冷え性やむくみもずいぶん改善されましたので、このまま六君子湯を服用し続けるべきか、
他に何か良いお薬があればお教えいただけませんか?

体力は中等度、乾燥肌、少しストレスがかかると、
首がこった感じになります。





お話を伺った先生のご紹介

真鍋立夫 先生 (シマヤ真鍋漢方薬局)


「薬剤師・鍼灸師」真鍋 立夫

(社)日本漢方交流会前理事長
(社)香川県鍼灸師会前会長
古典鍼灸「経絡治療学会」理事・香川県支部長
日本伝統鍼灸学会評議員
日本バイ・デジタルO-Ring学会認定鍼灸師

不妊症の治療においては、現代医学的に考えて問題の見つかるタイプの物で、例えば卵巣機能不全や、卵管の閉塞、卵巣のう腫であったり、子宮筋腫があったり、等の方がいらっしゃいますが、それらの原因と思われるものに対処しても、不妊症が改善しなかったり、あるいは現代医学的にはこれといった原因の見当たらない方が実は大変大勢いらっしゃいます。

漢方医学的には、月経の状態は無論のことですが、現代医学ではあまり不妊の原因として問題視されない、冷え症、軟便または便秘、夜間の排尿、慢性的な起床時の腰痛や食事の好みの偏りなどをむしろ重視いたします。



≫ シマヤ真鍋漢方薬局

43歳だということで、IVFに切り替えられたそうですが、卵胞の質の向上が大切ですから、全身的な健康状態をアップさせるために努力することは大切です。

若いころから時々ではあっても強い生理痛があったということは、漢方でいう「瘀血」:オケツを持つ体質であると考えます。
当帰芍薬散でなかなか効果が出なくて、温経湯で多少なりとも効果があったことがそれを示しているように思えます。瘀血をとるための処方はいろいろありますから、担当の漢方医に、あなたに合うものを選んでもらう必要があります。
 乾燥肌だそうですから、少し「地黄」を加えてみてはいかがでしょうか。
 
冷え症は瘀血を改善することも大切ですが、あなたの便秘症は基本的には腸の動きが悪い弛緩性便秘症のように思えます。カマグは、あなたのように胃腸が冷えやすくて弱い方が常服する薬とは言えません。
胃腸の働きを良くする、温めるような薬が必要かもしれません。ただ体は筋肉質で乾燥肌、イライラしやすい肩や首がいつも凝っているというような症状は、肝臓の気すなわち、言い換えると肝臓の働きがうまくいってない状態、漢方でいう「肝気不調和:肝欝」または肝臓と胃腸の調和が悪い「肝脾不和」のような病理もあるように思えますから、ただ胃腸を温めるだけの薬ではなく、肝気の調和も良くする薬を飲んで、慢性的な下痢や便秘を起こしやすく、しかも胃がすぐに悪くなるという体質を治さなければいけません。

胃腸の水を減らし温める、六君子湯があっているようですから、水分の取りすぎに注意して、「六君子湯」をベースにして「四逆散」をほんの少し併用したり、「香砂六君子湯」などを用いるとよいと思います。
それで、便の出が悪い時は寝る前に「麻子仁丸」を少し用いて、便が気持ちよく出るように服用量を自分で加減しながら飲んでください。便秘した時だけ飲むという「便秘薬」として飲むというやり方はいけません。
便秘症が治るまで毎日夜寝る前に1回服用か、それで出ない場合は朝晩に飲むようにしてください。


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