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高い低体温を下げたいです。

専門医Q&A 漢方・鍼灸

高い低体温を下げたいです。

2012.11.15

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くるみさん(41歳)

低温期に低温でないと良い卵ができないと聞くので、低温期に36.5℃以上あることが多い体温を下げるにはどうしたらいいのでしょうか。
また、手足が冷たくなる冷え性も改善したいと思っています。


お話を伺った先生のご紹介

三ツ川 友一郎 先生 (三ツ川鍼灸院)


私が鍼灸師になろうと考えたのは高校生の頃でした。子供のころから野球をしていたので高校生のころから近所の鍼灸院で肘や肩などの治療でお世話になっていました。将来は私もスポーツをしている人たちに治療をして喜んでもらえたらと思ったのがきっかけでした。

その後、鍼灸術の底知れぬ力を知ったのは、妹夫婦が赤ちゃんに恵まれないことで彼女に鍼灸術を施したのが始まりです。鍼灸術を施すことで生命力があがり、妹夫婦が自然妊娠し無事出産しました。生命の神秘に触れ、古代中国より日本に及ぶ三千年の伝統ある鍼灸術というのはすごいと改めて感じました。

まだまだ未熟な私ですが、鍼灸師としての技術だけでなく人間としての研鑽も重ね、この身体に優しい鍼灸術を一人でも多くの方に知ってもらいたいと思います。




≫ 三ツ川鍼灸院

くるみさんがとくに改善されたいのは、低温期の体温を下げたいことですね。
足腰のだるさや手足が冷たくなる、性欲がない、初経が遅かったなどの症状から「腎虚陰虚証(じんきょいんきょしょう)」の状態が考えられます。
腎には性行為、妊娠、出産などの生殖機能や、人の成長や発育を促進したり、若々しさを維持するなどの働きがあります。

腎の働きが十分であれば、女性の月経・妊娠、出産は正常に機能します。逆に働きが低下すれば「腎虚」という状態になり、未妊などの原因となります。
また、古典には「腎は水をつかさどり」と書かれており、腎に体液である水が不足すると熱が発生します。その熱があちこちに波及して、ほてりや寝汗、口が渇く、動悸といった症状がおこります。つまり体に必要な潤いが不足している状態ということです。 
くるみさんが気にされている低温期の体温が高い症状を、東洋医学では以上のように捉えます。
腎の水が不足する原因は肉体労働による疲労や、性生活の回数が多すぎるなどです。
とくに、性欲が落ちたと感じている方の、無理は禁物です。

腎虚陰虚証を改善する食材としては、黒ゴマ、黒豆、ひじき、山芋、オクラ、ナマコ、なめこなど、黒いもの、ねばりのあるものを積極的に摂ると良いでしょう。
さらに潤い不足の人は、体に熱を生む唐辛子、こしょう、山椒などの香辛料を摂り過ぎないことです。香辛料は、体をほてらせるだけでなく、体の潤いを奪う作用があるからです。
それから食養生には優先順位があります。まずは少食であること、良く噛んで食べること(最低30回)、体質に合わないものを摂らないようにすることです。この3つができていなくては、体質に合って妊娠に良いものでも、効果は半減します。
鍼灸では腎をしっかり補いバランスを取ることで、妊娠力を高めます。体に優しい鍼灸治療の応援で、くるみさんにコウノトリが訪れることをお祈りしています。


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