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多嚢胞性卵巣とインスリン抵抗性

専門医Q&A 漢方・鍼灸

多嚢胞性卵巣とインスリン抵抗性

2014.1.21

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JINEKO事務局さん(14歳)

アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。

【大豆のイソフラボンさん(22歳)】
初めまして。
私は、生理不順があり学生時代から今まで、ずっと悩んでいました。
初めて、婦人科へ受診した時に多嚢胞性卵巣で排卵確認が取れず、不妊症と診断されました。原因としてインスリン抵抗性があるとのことで、
糖尿病用薬の《メトホルミン塩酸 》と《テイコク芍薬甘草》漢方を処方されましが、糖尿病用薬を処方されるということは、私は糖尿病になっているという事でしょうか?
身長150cm体重43kgなので平均値かなと思いましたが‥運動や食事制限も薬を飲みながら実施した方がいいですか?このメトホルミン塩酸は、ずっと飲み続けなければいけないですか‥?

※テイコク芍薬甘草とは多嚢胞性卵巣に効く漢方ですか?

あと、今回、多嚢胞性卵巣と診断されましたが、なにか生活するうえで気を付けた方がいいこととかありますか?

長文で本当にすいません。初めて診断されたので、旦那さんとの子どもが欲しいと話をしていて不妊治療に励みたいとおもいます。


お話を伺った先生のご紹介

岡村芳子 先生 (オカムラ山一薬局立小路店)


岡村芳子(おかむら よしこ)
福岡大学薬学部卒。
卒業後同大学研究室にて助手として勤務する。
結婚を機に地域密着の薬局に勤め、中医学に深い感銘をうける。

10年ほど前より不妊症の相談を専門的に受け始め、沢山のベビー誕生に喜びを共有させていただいています。
さらに研鑽を深めるため、南京中医薬大学付属病院の老中医、夏桂成先生もとで不妊症・周期療法を、広州中医薬大学第一付属病院の羅頌平先生のもとで免疫不妊、習慣性流産、男性不妊を、さらに山東中医薬大学、成都中医薬大学第二附属医院、陜西中医学院附属病院などの婦人科外来及び病棟にて研修させていただいき、それぞれ修了証書もいただきました。それらの沢山の経験、知識を日々の店頭における漢方相談に生かしています。
また、心の底に潜んでいる不安、不足、不満などを取り除くケアも大切に考えています。
一人で悩みを抱え込まないで、お気軽にご相談ください。



≫ オカムラ山一薬局立小路店

「メトホルミン塩酸」が処方されたからといって、糖尿病ということではありません。PCO(多嚢胞性卵巣)においてメトホルミン塩酸が治療に有効であることがわかっており、そのため処方されたのだと思います。

メトホルミン塩酸は、どちらかといえば肥満タイプのPCOの方に効果が高く、あなたのようにBMIが低めの方には効果が低いかもしれません。薬を服用されながら超音波で卵の状態をチェックし、先生と相談しながら検討されますことをおすすめします。
基礎体温、血液検査の詳しい数値はわかりませんが、学生時代から月経不順があるということから、性腺軸という生殖をつかさどる機能がもともと低い体質だと思われます。その上、過去にダイエットや大きなストレスを抱えた経験などがあれば、さらに生殖能力を傷つけホルモンバランスを崩し、PCOになったと考えられます。
そして、PCOの方はテストステロン(男性ホルモンの一種)の値が高いので、それを抑制する目的で「テイコク芍薬甘草」が処方されたようですが、これだけでは不充分だと思われます。

治療方針としては、卵巣内にたまった小さな卵胞をアポトーシスさせる事、あなたの生殖能力を高めてしっかりした成熟卵胞を作りだすことです。しっかりとした成熟卵胞ができると、小さな卵胞はできなくなります。
また、ストレスを強く感じる場合にはストレスを和らげ、血流が悪く生殖能力を生かしきれていない場合は、血液の流れを良くするための漢方薬などが必要です。
いずれにしても、じっくりお話をうかがう必要があります。そして弁証に沿った漢方薬をきちんと服用していただくことが、しっかりした成熟卵胞を作り、自力の排卵をうながすことにつながり、それは自然妊娠や元気な赤ちゃんを出産することにもつながります。
また、PCOは生活習慣病とも言われていますので、生活養生も大切なことです。「早寝早起き」は基本です。
適度な運動でよい汗をかくのは体力作りとともに、ストレス解消にもなります。食事は和食中心でシンプルに。
あなたはまだ若いのですから、焦ることなくまずはきちんとした体作りをしましょう。元気な赤ちゃんに恵まれますように。


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