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ほとんど来ない月経を治療しても改善のきざしがありません

専門医Q&A 漢方・鍼灸

ほとんど来ない月経を治療しても改善のきざしがありません

2014.3.18

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JINEKO事務局さん(14歳)

アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。

【きーたんさん(30歳)】
4年に1回ほどしかこない月経不順です。婦人科でピルやプロベラなどを服用している間だけ月経がきます。漢方も試しましたがダメでした。以前、プロベラと排卵誘発剤を併せて服用したのですが、卵は大きくなりませんでした。月経不順はホルモンバランスが悪いことが原因と言われ、注射などの治療を受けていますが、長年同じ治療で先に進みません。子どもが欲しいと最近強く思うようになっています。こんな状態では絶望的ですか?


お話を伺った先生のご紹介

中村一徳 先生 (なかむら第二針療所)


京都なかむら第二針療所・滋賀草津栗東鍼灸院総院長
一般社団法人JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)会長
香川県厚仁病院産婦人科鍼灸外来監修。
鍼灸学会や生殖関連の学会、その他、様々な団体から招請され、約50回の講演を行う。

<公職>
公益社団法人京都府鍼灸師会学術部長など理事職を十年間、公益社団法人日本鍼灸師会学術局委員、臨床研修会講師などを歴任。
公益社団法人全日本鍼灸学会、一般社団法人日本統合医療学会会員。



≫ なかむら第二針療所

4年に一度しか自発的に月経がないのなら、月経不順というより無月経に近いと言えます。
それが初潮からなのか、ある時からなのかによって原因が異なります。

さらに4年に一度の自発性の月経がくる直前、どの程度高温期が存在するかによって、卵胞の成長や排卵の有無が変わります。
排卵誘発で卵胞が大きくならないのは、薬剤に対して卵巣の反応が低いからですが、それもたまたまそうなのか、例えば自発的な月経がきた時でも同じなのかなどによって原因が変わってきます。 
さらに30才代になると早発閉経も視野に入れるため、卵巣内の卵子が極めて少ない状態が予想されます。
こうなると回復は困難な可能性が高いかも知れません。
原因もホルモン系統のどこで機能不全がおこっているかによって治療が変わります。
視床下部性、下垂体性、卵巣性、子宮性などいろいろありますから。
このようにさまざまな事柄が詳しくわからないまま妊娠の可能性を論じることは難しいので、鍼灸治療を受けた方で同様の経過をたどりながら自発的な月経が復活し、自然妊娠された2ケースをご紹介します。

最初のケースは西洋医学の治療を約6年間(無月経は約10年)受けましたが無月経から脱せず、鍼灸に来院された方です。
根気よく続けたら2年くらいで自発的に月経がくるように。鍼灸を終了してもリズムは崩れず、3年後に結婚され自然妊娠したと知らせが届きました。
もう1ケースはきーたんさん同様、薬剤で月経をおこしても、薬をやめたら月経が止まってしまう方です。
病院治療を何度か繰り返し行った後に鍼灸に来られたのです。
ちょうどカウフマン療法終了前だったので、月経のリズムが維持できればと、期待を込めて集中的に治療を行いました。結果、乱れながらも月経がくるようになり、1年ほどで自然妊娠されました。
このように回復可能な無月経なのかを見極めて鍼灸治療すれば、西洋医学で治癒し難いケースでも、完全に回
復することがあるのです。
とくに生殖器系の最高中枢である視床下部はストレスに弱いので、ストレスのない生活を心がけながら、体調の回復に鍼灸を利用されてみてはいかがでしょうか。


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