冷え性や月経不順、イライラや落ち込みを解消して、妊娠力を上げたいのですが
相談者
ひまりさん(35歳)
体外受精をしていますが、着床するまでにいたりません。月経がくるたびにがっかりして落ち込んでしまいます。下痢をしやすく、足腰のだるさや冷えを感じ、疲れやすいのも気になります。
28才以降妊娠力は徐々に低下していくので、妊娠力を上げる腎の機能を補う漢方薬と鍼灸の治療を
冷え症や下痢をしやすく足腰がだるいことから「脾腎陽虚」の体質だと思います。また、冷えが進むと血液循環が悪くなる「瘀血」体質が子宮筋腫、子宮内膜症などの原因になっているのでしょう。
妊娠機能をつかさどる「腎」のサポートは多くの女性にとって必要なこと
月経前のイライラや怒りっぽく落ち込みやすい、「肝鬱」もあるので、これらの体質を踏まえて月経周期に合わせた漢方の服用がおすすめ。妊娠機能をつかさどる「腎」をサポートしていくことは多くの女性にとって必要なこと。とくに、ひまりさんの年齢になると、腎の働きを助ける漢方薬が必要となってきます。東洋医学では「女性は7の倍数」で体が変化すると考えられており、28才が最も妊娠に適している時期で、それ以降妊娠力は徐々に低下していくと考えられています。ですから妊娠力を上げるためには、腎の機能を補う漢方薬が不可欠となります。
漢方薬と鍼や灸を併用は血液循環がよりよくなり冷えの改善や着床を手助けする
日常生活では体を冷やさないことを心がけます。外からの防寒はもちろんですが、体のなかから温めるために、冷たいものは控えます。加えて体を温めるような食材でバランスのとれた食事を摂るようにしましょう。また、腰回りの血流を良くするために腹筋、背筋を使うような運動を積極的に行いましょう。夜は疲れた体を休める時間です。十分な英気を養うために、せめて日付が変わらないうちに寝るようにしましょう。
冷え症には婦宝当帰膠、当帰芍薬散などの補血薬を服用します。また、血液循環を良くするために冠元顆粒、桂枝茯苓丸などの活血薬を併せるのもいいでしょう。さらに腎の機能を高めるために、さらに参茸補血丸(さんじょうほけつがん)、八味地黄丸などの補腎薬、そして気持ちを安定させるために逍遥丸、加味逍遥散などの疏肝薬も併せて服用することをおすすめします。漢方薬に加えて、鍼や灸を併用すると血液循環が良くなり、冷えの改善や着床の手助けをしてくれると思います。家庭で手軽にできる、温灸やツボ刺激療法を行ってみてください
古村 滋子 先生
薬剤師・鍼灸師・国際中医専門員・不妊カウンセラー。大学在籍中より漢方を学び、病院などで漢方相談を経験の後、健伸堂薬局と市兵衛薬局で不妊を中心に相談を受けている。
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