みんなはいつ頃から始めてる? 不妊治療の進め方について
インタビュー 不妊治療
みんなはいつ頃から始めてる? 不妊治療の進め方について
避妊せず普通の夫婦生活を1年(以前は2年)続けた後の不妊治療の進め方について、中野由美子先生に教えていただきました。
最近では、避妊せず普通の夫婦生活を1年(以前は2年)続けても妊娠できないと、そろそろ不妊の検査を開始した方がいいとも言われています。その際の治療の進め方について中野レディースクリニック院長の中野由美子先生にレクチャーしていただきました。
4~5年前に比べて今は「不妊」の初診年齢が低下傾向に
「不妊かも……」と思い、初診で訪れる患者さんの年齢が年代ごとに少しずつ変化しています。
2000年代の半ば以降、急速に初診の年齢が上がりました。35歳前後でご結婚され、2~3年は自然に任せていたところなかなか授からず、不妊治療のクリニックに訪れたという経過の方々が多かったように思います。
このような状態がかなり長く続きましたが、最近では、「35歳を過ぎると妊娠率が低下する」「体外受精や顕微授精など生殖補助医療をしても高齢だと妊娠までに相当の努力が必要」ということが、テレビや雑誌を通じて患者さんに浸透したおかげか初診の年齢が下がってきました。
また、平成29年4月1日より東京都では一般の不妊治療や不妊検査にかかった費用につき、期間は1年間、金額は上限5万円まで、収入にかかわらず助成する制度を設けました。その対象条件の1つに「検査、治療開始日に妻の年齢が35歳未満」という項目があるのも、初診年齢を下げるのに役立っているようです。
長期化する可能性を考え通いやすい医療施設を
一般的には治療方法を3カ月ごとに見直して確認
夫の協力を得るには「時間のリミット」があることを伝えて
早いうちから治療のスタートを
妊娠する力は35歳を境に下がる傾向にあるので、普通の夫婦生活を1年続けて妊娠しない場合は、できるだけ早めに医療施設で検査をし、不妊治療を始めるようにしましょう。
ただ、自分の想像以上に結果が出るまでに時間がかかるケースもよくありますが、「焦らず、急いで、根気よく」続けることが大切です。同じ治療法を続けるのではなく、薬を使う、複数のやりかたを組み合わせるなど、少しずつ治療法を変えていくのも、上手に不妊治療と付き合うための秘訣です。
また、晴れて妊娠、出産して母になった時、お母さんが健康体でないと育児はできません。定期的に乳がんや子宮がん、そのほかの健康診断を受けてください。