前置胎盤って、なに?
インタビュー 妊娠・出産
妊娠中に「前置胎盤」と診断され大きな病院を紹介された、という話を耳にします。「前置胎盤」とはいったいどういう症状で、母体や胎児、出産にどんな影響やリスクがあるのかについて、あさもとクリニック産婦人科の朝元 健次院長にお話を伺いました。
前置胎盤とは、どういう症状を指すの?
妊娠すると、胎盤は通常であれば子宮の上のほうに着床しますが、時に下のほうの子宮口付近を覆った状態で付着してしまうことがあります。これを前置胎盤と呼びます。これにはいろいろな種類があって、子宮口全体を隙間なく覆ってしまうのが「前置胎盤」、子宮口の一部分にかかっているのは「部分前置胎盤」や「一部前置胎盤」と言い、端っこだけギリギリかかっているのは「辺縁前置胎盤」と言います。一般的に「前置胎盤」とされているのはこの3つです。さらに、子宮口にはかかっていないけれど非常に低い位置に胎盤があるのは「低置胎盤」と言います。
子宮というのは、上のほうは筋層が豊富で伸びるような組織になっていますが、下のほうはあまり伸びません。伸びないということは分娩の後にギュッと縮まらないので、胎盤が剥がれた後は血管がむき出しのような状態になって出血が多くなり、血が止まらないこともあります。ですから「低置胎盤」でも出血が多くなるというリスクはあります。
前置胎盤になりやすい人はいるの? 原因は?
もしも前置胎盤と診断されたら、どうすればいい?
母体や赤ちゃんへの影響、リスクは?
朝元先生より まとめ
前置胎盤というのは、胎盤が子宮口全体または一部をふさぐように付着してしまうことを言います。原因不明で予防法もなく、前置胎盤になるか否かは運としか言いようがありませんが、それほど頻度の高い病気ではありません。もしも前置胎盤と診断されたら、できるだけ安静に過ごし、大きな病院で出産時のリスクに備えることが必要です。今は病院に行けば比較的容易に診断がつきますので、助産所などで出産予定の方もきちんと妊婦検診を受けておきましょう。