青葉レディースクリニック産婦人科医 小松一先生の妊娠前 に始める 母親教室
コラム 妊娠・出産
※2019年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.41 2019 Spring」の記事です。
- テーマ
妊娠前に済ませておくべき検査や予防接種 - 結婚を控えている方、そろそろ妊娠を考えている方が妊娠前にチェックしたほうがよい検査や予防接種について解説します。
- POINT
- 母子手帳は母親のための思い出ノートではありません、子どもに渡すべき大事な記録です
妊娠前にどのような検査を受けたらいいですか?
今まで、月経不順や不正出血がなくても、まずは産婦人科を受診して子宮・卵巣のエコー検査、子宮頸がん検診を受けましょう。子宮筋腫や子宮奇形は不妊症や流産の原因となることがあります。大きい卵巣囊腫では正常な排卵ができず、同じく不妊症の原因となることがあります。また妊娠中は激痛を起こして、緊急手術が必要な場合があります。
40歳以上では子宮体がんや乳がんの検診に加えて、糖尿病、甲状腺機能、性行為感染症など検査をしたほうがいいでしょう。
風しんが流行していると聞きます。どうしたらよいのでしょうか?
風しんに対する免疫が不十分な女性が妊娠20週頃までに風しんウィルスに感染すると、眼や耳、心臓などに障害(先天性風しん症候群)のある子どもが生まれる恐れがあります。その割合は妊娠1カ月で罹患した場合50%以上、妊娠2カ月では35%と言われています。
現在の子どもは風しんの予防接種を2回受けますが、男女とも28歳以上の成人は小児期に予防接種を1回しか受けておらず、男性は39歳以上、女性は56歳以上の方は1回も予防接種を受けていません。従って、十分な風しん抗体を獲得していない可能性がありますので、最寄りの保健所や病院で、風しんの抗体価を調べて、抗体が低ければ、妊娠する前に予防接種を受けましょう。
そのほか、妊娠前に気をつけることはありますか?
妊娠中の体重管理について
妊娠中の過度な体重増加は妊娠糖尿病や妊娠高血圧症を引き起こし、早産や胎児発育不全あるいは巨大児の恐れがあります。妊娠中はバランスのよい食事と適度の運動が大切です。妊娠中の適正体重は健康状態や体型によって異なります。主治医と相談して、無理ない程度のダイエットに取り組むのもいいでしょう。
母子健康手帳をもっていますか?
皆さんはご自分の成長の記録が書かれた「母子健康手帳」を見たことはあるでしょうか? 通常、幼少時にかかった病気や予防接種など、丁寧に記録されています。もしも、母子手帳をもっていない、母親が保管しているのであれば、妊活を機に、ご自分の母子手帳をご覧になってみませんか? きっと役に立ちます。また、妊娠して、母子手帳をもらったら、いずれ子どもに手渡すことを念頭に、成長記録、予防接種、病歴などしっかり記録しましょう。
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.41 2019 Spring
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