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働く女性が不妊治療を受けやすい環境へ 自治体と企業の取り組みに注目!

コラム 不妊治療

働く女性が不妊治療を受けやすい環境へ 自治体と企業の取り組みに注目!

女性が働きながらでも不妊治療を受けやすくする取り組みが、平成30年度から東京都でスタートしました。治療を理解し、制度を整えた企業に対して東京都が支援する注目の事業です。今回はジネコ10周年特別企画として、小池都知事にご登場いただきます。

2019.2.25

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※2019年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.41 2019 Spring」の記事です。


東京都の取り組み
働きながら治療をしやすい環境へ、
東京都から発信します働きながら治療をしやすい環境へ、

お話を伺った先生のご紹介

小池百合子氏(東京都知事)


カイロ大学文学部社会学科卒業。参議院議員、衆議院議員、環境大臣、防衛大臣などを経て、2016年7月、第20代東京都知事に就任。「都民が決める。都民と進める。」をモットーに精力的に都政を推し進め3年目に。女性支援への活動も積極的で待機児童対策などのほか2018年6月より「働く人のチャイルドプランサポート事業」をスタート。

治療か仕事、ではなく両立できる社会を目指して


現在、東京都の人口は約1400万人。その半分は女性です。私は以前より常々、日本に埋もれている最大の未利用エネルギーは女性であり、生かさないのはもったいないと申し上げてきました。地球には、天然資源がたくさんあり、私たちはそれらを享受し、上手に生活に取り入れ生かしています。同じく地球上には女性がたくさん存在しています。世界では男性と同じように女性も活躍することが今や普通のことですが、ここ日本においては、女性の力が出し切れていない、たとえば専業主婦の方が仕事を望んでいても、働き方や社会の意識の違いから、その力を生かし切れていない。現に昨年開催された「世界経済フォーラム」において、男女平等度ランキングで日本は149カ国中110位と低いランクでした。女性が活躍する社会、と言われながら、他の国と比べると日本はなかなか女性が活躍できていないのが現状なのです。これは、社会としてはフェアではないと思いませんか。
私は、このような働く女性を取り巻く社会環境や経済環境を変えたいと考え、東京都知事になって2年半、まずは待機児童対策に取り組み、2018年、10年ぶりに待機児童を5000人台にまで下げることができました。しかしながら、まだ約5000人の待機児童がいるということは、約5000人の女性の働く力を生かしきれていないということ。まだまだ対策は必要です。
そして、次は働きながら妊娠を目指す人への支援を始めています。現在5.5組に1組のご夫婦が不妊に関する検査・治療を経験していて、それは年々増加する傾向にあります。治療をする人には精神的、身体的な負担がかかるうえ、仕事をしていると働き方や職場との関係に悩むことも多いでしょう。仕事を辞めたり、治療そのものを諦めたりする方もいらっしゃいます。仕事か治療かという二者択一ではなく、治療も仕事も両方を叶えられる世の中にしていきたい。そのためには、企業が不妊治療に対する理解を深めることが不可欠であると考え、「働く人のチャイルドプランサポート事業」という新たな取り組みを始めました。


「働く人のチャイルドプランサポート事業」をスタート


働きながら不妊治療をするには、企業側が不妊治療に対してサポートする体制づくりが必要です。まずは、企業側の意識、治療に対する理解が重要であることから、経営者や人事担当者に治療の基礎的知識、両立に必要な職場づくりのポイントを理解してもらうための研修会を都内各地で実施しています。そして、研修を受講した人を企業のなかで相談員として配置し、不妊治療のための休業・休暇制度の整備をするなどの取り組みを行った企業に対して最大40万円の奨励金を交付することとしています。
研修会には毎回満員に近い受講者が参加し、奨励金も予想を上回る応募があるなど、企業側の関心の高さを実感しています。研修会受講者からは、仕事と治療の両立が難しいことがわかった、不妊治療は個人の問題ではなく社会の問題なのだとわかったという声も届いています。個人も企業も不妊治療を理解することが重要なスタートであり、東京都はそのスタートから支援をしています。働く女性が多いこの東京から、妊娠を望む女性をサポートしているというメッセージが全国的に広がっていけばよいと思っています。
仕事か治療、仕事か家庭、悩んで迷って選択するのではなく、すべてを自然に両立して女性の力をもっと生かせる東京へと始めた画期的な事業です。ジネコ読者の皆さんにも、仕事もお子さんももって、自己実現を達成し、母親としての幸せ感が得られるようなお手伝いができたら嬉しく思います。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.41 2019 Spring
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