P4値と排卵日予測について 教えてください
コラム 不妊治療
P4値と排卵日予測について 教えてください
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※2019年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.41 2019 Spring」の記事です。
- みもーさん(31歳)からの相談
ベストな移植日は? - 無精子症で顕微授精をしました。自然周期で5日目胚盤胞の移植待ちです。排卵日を特定するため、排卵期であるD10(生理周期が24日で早いです)に受診したところ、エコーでは排卵済みで子宮内膜も10mm。P4値が0.4ng/mlでした。D12の受診では内膜12mm、P4は1.87ng/ml。「エコーで診て排卵済みは間違いないので、排卵日はD10に設定してよいだろう」とのことでしたが、ネットでP4が0.4ng/ml=排卵前の数値、1.0ng/ml以上で排卵済みという情報を見ました。D12に受診した際の医師も「難しい判断」といっており、「数値をとるのであればD11を排卵日に設定するのもよいと思うが、悩ましいね」といった感じで、はっきりとした回答を得られませんでした。排卵済みなのにP4が1.0ng/mlに満たない点について、どう考えたらいいのでしょうか。
- まとめ
- ●生理周期が短い人はD2やD3など、もっと早い時期からチェックを。
●ホルモン補充周期なら移植日を確定しやすいと思います。
P4値の変化と排卵について、臼井先生はどう思われますか?
D10の段階ではP4値は0.4 ng/mlですから、数値的に見ればまだ排卵前と考えてエコーで卵胞を確認すると思います。E2の値が200pg/ml、300pg/mlと排卵へ向けてピークになってきているのに、P4値がまだこのように低い場合は排卵しているのか、それともまだ排卵前なのか、注意深く見ていくことが必要になるでしょう。
しかし、この日エコーでは卵胞が見えなかったとのこと。2日後のD12のP4値は1.87ng/mlですから、この時点ではすでに排卵済みということは間違いないと思いますね。D11はクリニックが休診日だったようなので、排卵日はD10なのか、それともD11だったのか、はっきりわかりませんが、エコー診断を信頼するなら、やはりD10の時点で排卵していたのではないでしょうか。
自然周期だと排卵日を予測しにくいのでしょうか。
月経周期が整っている方だと比較的予測しやすいと思うのですが、みもーさんのように生理周期が短い方だと卵胞が早く大きくなっていくことがあります。
ですから当院では、少し前から診察するようにしています。生理2日目か3日目くらいに一度来院していただき、卵胞の大きさやE2の値をチェック。その状況を見て、次の診察日を決めます。そして、10日目で子宮内膜が10㎜程度、卵胞径が18㎜くらいになっていたら、HCG注射を打って移植日を1週間後に設定します。
子宮内膜や卵胞、ホルモンの状態がスムーズに進んでいけば来院していただく日数は少なくて済むのですが、生理周期が乱れがちだったり、ホルモンが安定しない方だと排卵日の予測は難しく、来院回数も増えてしまうかもしれません。
前回の移植時も今回と同じ条件で胚盤胞移植をしたそうですが、やはりP4値が低く、移植は実施したものの、結果は陰性だったそうです。
当院ではホルモン補充周期をメインで行っていますが、この方もきちんとホルモンを補充してから移植したほうがいいのではないでしょうか。どちらの方法でも妊娠率はほとんど変わりません。
自然周期による胚移植は使う薬の量が少なく、より自然に近い形というメリットがありますが、患者さんによっては前述したように来院日が増えたり、移植がキャンセルになってしまうといったデメリットも。
ホルモン補充周期の場合、薬による副作用も考えなければいけませんが、どんな方でも適応する方法で、通院回数が1、2回と少ないので、お仕事をしている方でもスケジュールを立てやすいと思います。先生と相談して、トライされてみてはいかがでしょうか。
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.41 2019 Spring
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