不妊治療と鍼灸治療を併用していますが、日常生活で気をつけたらいいことは何ですか?
相談者
penginさん(38歳)
■ 不妊治療をはじめて2年になり、体外受精にステップアップして4か月目です。今まで二度体外受精に挑戦し、1回目は移植後途中で分割がストップし、2回目は移植前に成長が止まってしまいました。先月から鍼灸院にも通っていますが、直後はポカポカしていてもすぐに腰から足にかけて冷えてしまいます。辛いものは苦手ですが、香味野菜は好きなので意識的に摂っています。
鍼で腎気を補って瘀血を改善させ、お灸で骨盤や内臓を温めてホルモンのバランスを調整する
20代の若い時期に、子宮内膜症になりかけて、8年間もピルを服用されていたことがとても気になります。というのも、ピルの長期間服用は腎虚傾向になりやすいからです。
過度のストレスは卵胞ホルモン、黄体放出ホルモンをアンバランスにする
腎虚になると、結果的に血流が悪くなり瘀血になります。Penginさんも腎虚からくる瘀血になっていると思います。瘀血になると、代謝異常や月経困難、湿疹など皮膚への影響もおきやすく、血圧異常や肥満傾向にもなります。また、腎の陽気を損なうので、下半身がとくに冷えやすくなります。腎は生殖機能をつかさどっているので、子宮・卵巣などへの影響も少なくないのです。間脳にある、視床下部は情動行動中枢で、ストレスの影響を受けやすい。また、体温調節中枢・下垂体ホルモン調節中枢でもあるので、過度のストレスは卵胞ホルモン・黄体放出ホルモンにアンバランスをおこすことがあります。趣味を見つけたり、気分転換をするなどして、できるだけストレスをためない生活を心がけましょう。
不妊治療のすべての過程が、幸せな気持ちで行えるような心構えが大切
辛いものは苦手とのことですが、適量の辛味は腎を助けます。また、肺や大腸にも効能があり、ストレスを発散し、体を温めてくれます。らっきょう、しそ、たまねぎなどを使ってみてはいかがでしょうか。鍼で腎気を補うことで瘀血を改善させ、お灸で骨盤や内臓を温めていくことでホルモンのバランスを調整していくことをおすすめします。鍼灸を続けることで、良い卵子ができるようになり、栄養に満ちたフカフカの子宮内膜に改善し、受精卵をしっかり着床することができるようになります。ただ、受精卵を着床させるために最も大切なことは、不妊治療が機械的な作業になるのではなく、プロセスをふくめて、すべての過程が幸せな気持ちで行えること、幸せな時間であることが、より効果をあげ
てくれると思います。イライラやストレスがあると、せっかくの不妊治療、鍼灸治療も効果が半減されてしまいますから。
原 徳子 先生
女性特有の症状を専門にした治療を長年行っています。婦人科・マタニティ・不妊・ストレスなど、メンタル面のカウンセリングも同時に進めながら、心と体の両面をサポートしています。
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