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【特集3】2人目をつくってあげたい…。 だけど41歳で妊娠率15%とは本当ですか?

コラム 不妊治療

【特集3】2人目をつくってあげたい…。 だけど41歳で妊娠率15%とは本当ですか?

不妊治療を始めたら、いつかは終わりがくるもの。それが「妊娠・出産」であったなら、 とても喜ばしく幸せなこと。しかし、そうならない厳しい現実もあり、いつか決めなければならない治療のやめ時。ジネコユーザーの悩みに応援ドクターが答えてくれました。

2019.3.31

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※2019年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.41 2019 Spring」の記事です。


お話を伺った先生のご紹介

浅田 義正 先生(浅田レディースクリニック)


名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

≫ 浅田レディースクリニック

妊娠は卵子の年齢が主役。採卵するなら少しでも早い段階で


私がいつも患者さんにお伝えしていることですが、妊娠の要因は、①卵子が老化していないか ②卵巣予備能(AMH)がどのくらいあるか ③カップルの遺伝子の相性 ④遺伝子の偶然の組み換え にあります。ここでは①についてお話ししますが、自身の卵子とドナー卵子による出生率の違いをアメリカのデータでみると、自身の卵子の出生率は年齢を追うごとに減っていきますが、ドナー卵子だと出生率は25歳でも45歳でもほとんど違いがないという結果が出ています。つまり、子宮は年齢の影響を受けないが、卵子は年齢の影響を受けるということです。それだけ、若いうちに少しでも多くの卵子を採卵することが大事だということです。まずはこの事実を念頭に考えてもらいたいと思います。


厳しい事実もうれしい事実も伝えて判断してもらう


20年以上前のアメリカで、期待される妊娠率が5%なら不妊治療はやるべきではない、1%ならそれは詐欺であるという論文が発表されました。これについては私もとても悩んできたところです。
ただ、私が見てきた患者さんのなかで奇跡の妊娠がありました。1人は29歳にして早発閉経だった方。最初は1、2個採卵できたものの、その後2年間採卵できない状態が続きました。その間、私は何度となく、もう諦めましょうと提案してきたのです。ところが、6年8カ月通った末、奇跡的に採卵できた1個の卵子で彼女は妊娠しました。もう1人は28歳にしてAMHがゼロ。この方も12周期ほどまったく卵子が育ちませんでした。しかしこの方も6年9カ月目にして妊娠できたのです。もちろんこの方たちの妊娠例は、金メダル級の例で、すべての人が当てはまるわけではありません。しかし、この例を見て、もしこの方たちの治療を断っていたら、私は生まれてくる赤ちゃんの存在を否定していたことになります。そう思うと私から不妊治療をやめましょう、とは言えなくなりました。
ですからこのようなよい事実も、年齢的な厳しい事実もどちらも知ってもらったうえで自分でどう判断するか、それを考えてもらうために、最新のデータを見せながら定期的にセミナーを行っています。




妊娠率を見て躊躇しているなら転院を考えるのも手段


みかんさんの場合、41歳で15%というクリニックの妊娠率にも躊躇しているようですが、施設によって採卵も培養もさまざまで妊娠率も異なります。参考までに、当院の調節卵巣刺激による採卵あたりのデータですが、40~42歳の方の臨床的妊娠率は42・5%、流産率は40・8%、43歳を過ぎると妊娠率は19・8%、流産率はさらに上がり60.5%になります。少しでも妊娠の可能性を上げたいと考えるのであれば、思い切って妊娠率がより高い施設に転院するというのも大きな転機になるかもしれません。
不妊治療をやめるのは、さまざまなデータや結果をもとに、自分が後悔なくやめたいと感じた時だと思います。




出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.41 2019 Spring
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