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心の玉手箱 vol.35 「2度目の流産でつらい時期に授かり婚した義理の兄嫁から毎日送られてくる姪っ子の写真に落ち込む...」

コラム 不妊治療

心の玉手箱 vol.35 「2度目の流産でつらい時期に授かり婚した義理の兄嫁から毎日送られてくる姪っ子の写真に落ち込む...」

2度目の流産でつらい時期に授かり婚した義理の兄嫁から毎日送られてくる姪っ子の写真に落ち込みます。
この気持ちをわかってほしい…。秀子先生にお聞きしました。

2019.4.1

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※2019年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.41 2019 Spring」の記事です。


みかんさん(会社員・35歳)
相談内容
体外受精で妊娠しましたが、8週目で稽留流産しました。2度目の流産で肉体的にもすごくつらいです。私が治療をはじめた頃に、旦那の兄が授かり婚をしたのですが、その時から家族のグループラインに姪っ子の写真が毎日送られてくるのが本当につらいです。ずっと我慢していたのですが、今回流産したことで精神的にすごく追い込まれていて、その日から毎日泣いて過ごしています。不妊の立場にならないと、こちらのつらい気持ちがわからないのでしょうか? 写真は控えてほしいと直接言っても大丈夫でしょうか? 姪っ子に会うのは大丈夫です。

投稿に寄せられたコメント
ちゃんこさん(38歳)
みかんさんには悪いですけど、子どもの写真をラインで送るなんてものすごく普通のことなんですよね…。それは、相手の思いやりが欠けているんじゃなくて、みかんさんの精神が弱っているだけだから。不妊治療をしたことのない人にはわからない、じゃなくて不妊様になってると思います。夫婦だろうと度を超えて夫に求めすぎると離婚になります。でも、夫婦だからみかんさんがつらいという気持ちに寄り添う優しさは絶対に必要です。2年も我慢して、よく頑張ったと思います。周りにあまり悟られないように、ご主人に協力してもらって、対応はご主人に任せてはどうでしょう。

たけさん(育休中・37歳)
私も不妊治療中は先の見えないトンネルに入ったような気持ちでした。子どもや妊婦さんをみるのもつらい時期もありました。でも本音をいうと正直に話せたらいいのにとは思います。LINEの問題は解決しても会う機会がゼロでない限りつきまとう問題でもあると思うからです。私だったら、相当切羽詰まったら知らせるかな。なかなか孫に会わせられなくてごめんなさい。いい報告できるよう頑張りますとか言ってさ^_^ 治療頑張った分、我が子に会えた時の喜びはひとしおですよ。気持ちを強くもって! 応援しています。

お話を伺った先生のご紹介

田村 秀子 先生(田村秀子婦人科医院)


京都府立医科大学卒業。同大学院修了後、京都第一赤十字病院に勤務。1991年、自ら不妊治療をして双子を出産したことを機に義父の経営する田村産婦人科医院に勤め、1995年に不妊治療部門の現クリニックを開設。

≫ 村秀子婦人科医院

「転んでもタダでは起きない」ネガティブなことをポジティブに考える


2度目の流産は体外受精後とのことですが、1度目の流産は自然妊娠、あるいは体外受精後、どのような経緯だったのでしょう。それによって見立てが異なるのですが、どちらにしても流産とはいえ妊娠したということ。これは母予約切符を持ってるということです。
血液検査で異常がない場合、体外受精の流産や胎児死亡のなかで多いのは染色体異常です。ただ、30歳代前半の方の染色体異常の確率はそれほど高くありませんから、次に出産に至る可能性は十分にあります。「3回目も流産したらどうしよう?」と、ネガティブな気持ちでいると、妊娠すら遠ざかっちゃいますよ。もし流産したとしても、どういった流産をしたかによって原因が絞られてきます。結果が悪くても「転んでもタダでは起きない!」。そういう気持ちで治療と向き合っていけば、この先に必ずいい結果が待っています。
人は前に進むよりも、後ろを向いて思い悩んでいるほうが、実はずっとラク。でも前進していくためには、自分に起きたネガティブなこともポジティブに解釈して消化吸収していくことが大事ですね。


流産を乗り越える力も大切。母になるためには笑顔をつくっていきましょう


流産は妊娠という母性的な感覚から一転して、奈落の底に突き落とされるつらい経験です。けれども、そこからどう立ち上がるか、次のバネにできるかどうかが、その人の妊娠力だと思います。そこで落ちちゃってたら、子育てパワーも授からなくなっちゃう。子育てはもっと大変で、この先、生まれた子どもに何か起こるかもしれませんし、また、将来、子どもが巣立った時の喪失感にも耐えていかなければなりません。いまこの状況をどういうふうに耐えていくかは、母としてどういうふうに強くなっていくかの試練の第一歩です。これを乗り越えたら、子育て中にどんなことが起きてもどっしり構えていられるはずです。母になろうとして妊娠を望んでいるのだから、ここでヘコたれず、これをバネにして妊活ではなく、母活をしましょう。女は弱し、されど、母は強し、です。


ご主人からお兄さんに事情を伝えてもらえば丸く収まるかも


これから前進するために、周りの雑音が気になるようだったら、ご主人からお兄さんに話してもらえば、うまくいくかもしれないですよ。たとえば、「先日、嫁が流産したばかりだから、しばらくそっとしてもらえるかな。もう少ししたらうまくいくと思うし、姪っ子には会いたいって言っているから」というように。わざわざご自分から兄嫁さんに伝える必要はないでしょう。また、グループLINEを一時的に外れても、義理のご両親はちゃんとわかってくれるはずです。
そのかわりにいっそのこと姪っ子さんの写真を携帯の待ち受けにして、お守りにしてはどうですか。妊娠した人のお腹にさわるといいことがあるとか、妊娠菌(実際にはこのような菌はありませんが)がうつるとか、よくいいますよね。「義理兄さんのところにいいことがあったから、うちにもいいことがありますように」と、発想を変えてみるといいと思います。


【秀子の格言】
「流産は母になるための試練。
そう思ってポジティブに乗り越えましょう!」

出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.41 2019 Spring
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