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血糖値コントロールで太りにくい体をつくる ―夏こそ! キレイで健康的な体を手に入れたいから―

コラム くらし

血糖値コントロールで太りにくい体をつくる ―夏こそ! キレイで健康的な体を手に入れたいから―

ダイエットをするなら、栄養バランスを考え、糖質を上手に制限することが大切。必要な栄養素や血糖値のことなどについてお話を伺いました。

2019.7.8

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※2019年5月24日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.42 2019 Summer」の記事です。


お米には栄養がいっぱい。糖質制限はお菓子で


上手に糖質制限をするなら、主食ではなく間食(お菓子)を抜くことがおすすめです。糖には、複数の糖が結合した「多糖類」と糖単体の「単糖類」などがあります。米などに含まれるのは、でんぷんなどの「多糖類」に食物繊維がプラスされた炭水化物です。砂糖はブドウ糖と果糖で構成された「二糖類」といわれるもの。ジュースなどに入っているのは、ブドウ糖や果糖などの「単糖類」です。でんぷんなどの多糖類は、吸収が緩やかですが、砂糖やブドウ糖などの単糖類は、そのまま早く吸収されるため、血糖値も急激に上がりやすいのです。そのため、お菓子を控えるのは血糖値の安定につながります。
また、糖質だけの砂糖に比べ、炭水化物である米などには糖質以外にも水やビタミン、ミネラル、たんぱく質、妊活中の方に摂ってほしい葉酸などの栄養素が含まれています。つまり、ごはんをきちんと食べてお菓子を抜いたほうが、栄養バランスを整えながらダイエットすることができるわけです。


血糖値が上昇すると脂肪をため込む


糖質を摂取して血糖値が上がると、膵臓からインスリンが分泌されて血糖値を下げ、エネルギーを作り出します。余ったエネルギーは体内に中性脂肪として保存されます。インスリンには、血中の糖質を脂肪細胞にため込む性質もあります。そのため、血糖値が上がりやすくなると脂肪もため込みやすくなるのです。
また、空腹時に糖質を摂取したり、単糖など細かい糖を摂取することで、血糖値が急上昇急下降する「血糖値スパイク」を起こす場合があります。すると、血糖値の急上昇により大量のインスリンが分泌され脂肪のため込みにつながるほか、一緒に分泌されるアドレナリンの影響で高揚感が出ます。そして急下降すると落ち込んだり、イライラしたりと気分にムラが出ます。
血糖値が高い状態が続くと血管壁の炎症にもつながります。これは「糖化」といい、気になるシミやシワなど肌の老化の原因となります。さらに糖尿病や、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な病気につながることもあるのです。


砂糖や果糖を控え食事はベジファーストで


血糖値の急上昇を防ぐには、まずは単糖類を控えること。特に、砂糖、ブドウ糖、果糖には注意が必要です。主食でのオススメは、米など植物のままのもの、特に食物繊維が豊富な玄米や雑穀米がオススメです。一番吸収されやすいのは、細かい粒子の小麦粉を使ったパンやうどん、蕎麦。吸収が早いため、血糖値を上げやすい食品です。
また、清涼飲料水には実は糖分たっぷり。一見ヘルシーに思える500mlのオレンジジュースには、スティックシュガー16本分の糖が入っているので、摂取しすぎないように。コカコーラは19本分、スポーツ飲料で8〜10本分の砂糖が含まれているといわれているので、フルーツジュースの糖分がいかに多いかがわかります。
食事の時に「ベジファースト」、つまり野菜から食べることも大切。これは、食物繊維を先に摂取することで、胃腸での糖の吸収を緩やかにし、余分な脂質を食物繊維と絡めて排泄させる目的があります。さらに、野菜はごはんよりもよく噛むものなので、噛んで唾液を出すことで、脳にしっかりと「食べている」ことの指令が行き渡り、満腹感を高められるのです。噛む必要がなく、糖分が多い野菜ジュースでは代用できません。




甘いものの代わりにたんぱく質で空腹を満たす


お腹が空いた時はお菓子で満たさず、女性に不足しがちな栄養素であるたんぱく質をしっかり摂ること。実は、肉や魚、卵や乳製品などには、たんぱく質以外にも代謝に必要なビタミンB群などが豊富に含まれています。また、たんぱく質を摂取すると食欲を抑えられるという効果も。たとえば、おやつにゆで卵やハム、チーズを食べると、腹もちもよく栄養バランスも整います。その結果、甘いものの間食やごはんの量が減り、体重が落ちていきます。飴玉1個が15キロカロリー、ゆで卵1個が80キロカロリーですが、ゆで卵のほうがその後の満腹感が持続します。
たんぱく質の食品にはいろいろありますが、疲労感のある人や甘いものが好きな人はビタミンB1が多い豚肉、若い女性は鉄や亜鉛が多く含まれた牛肉、イライラ感のある人はDHA、EPAなどオメガ3の含有量が高い魚、太りたくない人は低脂肪の鶏胸肉や大豆など、自分に足りない栄養素を見つけ、それを補うたんぱく質の食品を選んで食べてみてください。
エネルギーを保ち、糖質をコントロールしながら、バランスのとれた栄養を摂取することを心がけていきましょう。


選ぶならどっち?
血糖値が急上昇しないのはどんな食事でしょう。栄養素の中で血糖値を上げるのは糖質のみ。ヘルシーに思えるうどんなどの粉類は意外にも血糖値が上昇しやすく、ステーキなどのたんぱく質は血糖値の上がりを緩やかにします。

パンは、細かい粒子でできた小麦粉で作られているため血糖値が上がりやすいので、植物である米のごはんがおすすめ。白米よりも食物繊維含有量が多い雑穀米や玄米を食べれば、さらに血糖値の上昇を抑えられます。



炭水化物のみの摂取はおすすめしません。そばの場合、たんぱく質の食品をトッピングすると、糖質の吸収がブロックされます。パスタは、原材料となるセモリナ粉が血糖値の上昇を防ぎます。



糖が濃縮されたドライフルーツより、ナッツがおすすめ。ナッツからはビタミンEやオメガ3脂肪酸も摂取できます。ただし、ナッツは脂質も多いので、1日15粒くらいがオススメです。
*ドライフルーツは、凝縮された糖分に加え砂糖添加のものも多く、糖質の高い食品です。



レバーはたんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富。ニラも免疫力を高めるアリシンなどが含まれます。エビチリは衣の片栗粉やチリソースなどに糖質が入っているので、要注意。



糖度が高い日本酒に対して、焼酎は糖質ゼロ。さらに、焼酎は水やお湯、ソーダなどで割って薄められますが、日本酒はそのまま楽しむお酒のため、アルコール濃度も薄められません。



出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.42 2019 Summer
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