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ホルモン補充周期で連続失敗…次回自然周期移植の提案を!

コラム 不妊治療

ホルモン補充周期で連続失敗…次回自然周期移植の提案を!

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2019.6.26

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※2019年5月24日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.42 2019 Summer」の記事です。


チョコ嫁さん(34歳)からの相談
今後について
原因は男性不妊です。28歳で採卵して1回目の凍結融解胚移植にて妊娠出産。31歳で2人目治療を開始し、残りの凍結胚を移植して5回目まですべて陰性、34歳で残りの凍結胚盤胞の移植1回目陰性で現在に至ります。移植はすべてホルモン補充周期です。20代で採卵してグレードのよいものから移植し、直近の移植の胚盤胞は4BBでした。まだ5つ胚盤胞が残っているのでそれを移植するのが順当な方法だとは思いますが、6回連続でダメなのにまた移植してもどうなのか……と思っています。医師からは自然周期を提案されましたが、すぐには返答できず保留にしています。ホルモン補充周期で子宮内膜も14mmまで厚くなるし、胚も悪くないのに、なぜずっと陰性なのでしょうか? 今後どのような治療をすればよいか教えていただきたいです。

まとめ
●今のうちに再度採卵して、最新の凍結技術でチャレンジしてみては?
●うまくいかない時は、気持ちを上手に切り替えることも大切です。

お話を伺った先生のご紹介

宇津宮 隆史 先生(セント・ルカ産婦人科)


熊本大学医学部卒業。1988年九州大学生体防御医学研究所講師、1989年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、1992年セント・ルカ産婦人科開院。国内でいち早く不妊治療に取り組んだパイオニアの一人。開院以来、妊娠数は8,600件を超える。この秋、臨床遺伝専門医に合格。O型・おひつじ座。

≫ セント・ルカ産婦人科

28歳の時に採卵した凍結胚盤胞を融解・移植して、6回連続で陰性だったとのことですが、どのようなことが考えられますか?


チョコ嫁さんは、最初の凍結融解胚移植で出産できていて、31歳で2人目を希望した不妊治療を再開していますが、合計7回の凍結胚移植をしたうち出産まで至ったのは最初だけ。採卵した当時は28歳ですから、年齢的に考えると1/7の確率というのは少し低いのかなという印象です。また、グレードのよいものから移植していくでしょうから、あとになればなるほど難しくなるでしょう。
しかし、グレードは外見で判断するものなので、それだけではわからない部分もあります。たとえば、グレードが高いと判断しても実は染色体異常があった、ということは珍しくありません。反対に、グレードが低く、タイムラプスで観察して成長過程に問題があるように思われていても、最終的には妊娠した例も少なくありません。外見上のグレードはある程度当たっていますが、絶対ではないということを知っておいていただきたいですね。
しかし、精子に関してはとても難しい。泌尿器科で適切な検査をし、精索静脈瘤など原因を見つけるのは大前提ですが、質の改善法に「これ」というものはありません。だからこそ、喫煙者は禁煙し、規則正しい生活で健康を保つことを心がけましょう。


これまでのホルモン補充周期移植から、次回は自然周期移植を提案されたそうです。


ホルモン補充周期も自然周期も、妊娠率は特に変わりませんし、個人差やタイミングはあるものの人によっては自然周期に変えたことで妊娠できた例もありますから、一度、試してみてはいかがでしょう。また、ホルモン補充でも飲み薬、貼り薬、塗り薬と変えてみる方法もあります。
6回も連続して失敗したということですから、少し気持ちを切り替えるという意味でも今までと違うことを試してみたり、1回お休みするような気持ちで自然周期を試してみる、というのは今のチョコ嫁さんにとってベストなのかもしれません。また最近いわれている「慢性子宮内膜炎」などはいかがでしょうか。相談してみて下さい。


チョコ嫁さんは現在34歳。今のうちに再度、採卵するという方法も考えられますか?


35歳を超えると、28歳で採卵したものと同じというわけにはいかなくなります。34歳は、これから卵子の質が低下していく時期ですので、今のうちに、というのは一理あります。また、凍結方法も5〜6年前より技術が向上しているので、採卵して、新しい技術で凍結保存し、それを移植するというのは試してみる価値はあると思います。
ただし、28歳で採卵した凍結胚盤胞がまだ5つ残っているのも現実。これをどうするのかは、夫婦でしっかりと考え、担当医とも相談し、話し合いながら決めるしかありません。治療法も今後についても、想像だけであれこれと考えず、話し合いながら納得のいく答えを見つけていただきたいですね。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.42 2019 Summer
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