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【Q&A】脇を中心とした神経痛みたいな痛みに悩まされてます ー大谷先生

専門医Q&A 女性の健康

【Q&A】脇を中心とした神経痛みたいな痛みに悩まされてます ー大谷先生

色々な病院を巡っているが、もうどこに行けばいいのかわかりません。かおりレディースクリニックの大谷 香先生に伺いました。

2019.8.7

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相談者:ラッコさん(36歳)



脇を中心とした神経痛みたいな痛みに悩まされてます…
今年の春ごろから左脇周辺の鈍痛があり、今は徐々に右脇周辺・あごまわり・首・鎖骨、両腕にもピリピリ・ヒリヒリするような痛みがあります。(でも左ほどではない。)左側が基本よく痛む感じです。痛みはおさまる時もありますが、場所が変わって今度は別のところが痛むという感じです。どういうときに痛むかはわかりません。上半身だけで下半身は問題ありません。日常生活に支障をきたすほどではないのですが、これがなんなのかわからずストレス、不安感があります。

心当たりはまず、二人目を生む前、卵巣のう腫を患い、卵巣の一部を切除したことがありこれも原因なのかな、と。この卵巣の弱り=女性ホルモンバランスの乱れで起きてるのか、他の要因かわかりません……。もうひとつは、去年の秋ごろから育児の疲れかストレスで不調が続いており、子どもの寝かしつけでいつも左を横にして寝ていて、体に圧がかかり神経圧迫?とか。
脇に近いこともあり、(まだ母乳でる)乳腺系?皮膚表面の痛みの気がするので皮膚科?肩こりもあるので整形外科?神経痛なら内科?
自分で調べ、進行するのも怖いので今色々病院を巡っているのですが、接骨院では肩、背中がゴリゴリに凝ってるといわれ電気治療中です。肋間神経痛ではといわれましたが、なかなかよくなりません。
皮膚科も発疹とかないのでよくわからないといわれ、ホルモンバランスの乱れもあるのではと漢方を処方されました。乳がん検診もエコー、触診をやり問題なし。婦人科では生理周期を整えると良くなるかも、といわれホルモン療法(ピル)を勧められたのですが、もう出産するつもりもないし、ピルはがんリスクが心配でしたくないです。(母が乳がんなので。)それで返事を保留しているところです……。
もうどこにいけばいいのかわかりません。医療機関受診しすぎてお金もかかるし、生活も不安です。




どの診療科が良いのか?




同じような症状を訴える方は、当院でも結構たくさん来院されます。


まず、ラッコさんが当院に来院されたと仮定して、どのように診察を組み立てていくか、ご説明します。


上半身だけにあるさまざまな痛みについて
①”整形外科的な痛みの原因となりうる異常がないか”どうかを整形外科にて調べてもらう。
②”歯の食いしばりや、顎関節症など、あごや首の痛みの原因になりうる異常がないか”どうかを、口腔外科または耳鼻咽喉科で調べてもらう。
③上記に記載した異常がなければ、ご本人も記しているように、左を横にして寝ていることや、ストレスが関連している痛みの可能性が高く、カウンセリング等を行いながら、痛みの緩和法を模索する(薬物療法;NSAIDs、きかなければリリカやトラムセットなど、リハビリ療法等)。
④慢性疲労症候群という難病もありますが、正直診断は非常に難しいです。


 


20日前後の月経周期について


婦人科的には、この症状が一番気になります。また、いつ卒乳したのか不明ですが、母乳の分泌があることも。


当院では、まず婦人体温計で測る基礎体温を測り始めてもらい(4~5時間寝て、起きて動き出す前に必ず3分以上測定すれば、毎日でなくても、決まった時間でなくても、とびとびでもOK)、排卵周期があるかどうかを経過観察し、必要なホルモン検査を行い、排卵障害があれば、その原因を特定します。2か月に1回程度自力排卵があれば、挙児希望はないので、原則基礎体温測定のみで、加療は必要ありません。
また、基礎体温表に痛みも含めた気になる症状の強さ等も記載してもらって、排卵周期との相関もみてもらっています。こうすることで、自分の体を客観視できるようになり、症状が緩和される方も多いのです。
排卵障害が、2か月以上持続する場合は、ホルモン療法を必要としますが、母親が乳がんであることを考慮して、薬剤の選定を行います。


 


ホルモンについて


診断がつかない不定愁訴を、”ホルモンバランス”が原因とする例は大変多いですが、まず、ホルモンバランスというのはありません。
排卵があるのか、排卵がないのか、排卵があれば、排卵後の女性ホルモンの増減が月経前症候群と呼ばれる一連の症状の原因となりますし、排卵がなければ、逆にホルモンは一定で、それに誘発される症状はないのです。


 



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お話を伺った先生のご紹介

大谷 香 先生(かおりレディースクリニック院長)


福島県立医科大学卒業。1995年より米国エール大学産婦人科教室へ留学。婦人科がんの研究に従事。日本大学付属板橋病院、練馬光が丘病院に勤務後、2002年9月 東京・学芸大学にかおりレディースクリニックを開院。日本産科婦人科学会専門医。医学博士。

≫ かおりレディースクリニック

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