「原因不明」の検査結果を前に、戸惑った日もありました
コラム 不妊治療
「原因不明」の検査結果を前に、戸惑った日もありました
【her story vol.61】
回り道することなく妊娠にたどり着けたのは
相性のいい漢方・整体サロンに出合えたおかげ。
心身両面の細やかなサポートに、ただ感謝です。
クリニックで検査を受けるも、不妊の原因が特定できず、
終わりの見えない治療を前に、漠然とした不安を抱えていたご夫妻。
ジネコの妊活イベントへの出席が転機となり結果に繋がりました。
※2019年8月24日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn」の記事です。
年の差13歳の大人婚で結婚当初から妊活を意識
福岡市在住のMさんご夫妻が結婚されたのは夫・ケイタさん48歳、妻・エリさん35歳の時。子どもはすぐにでもと望んでいたため、当初からタイミングを取ることを試していたそうですが、なかなか妊娠に結びつかなかったそうです。そこで高齢出産といわれる年齢に達していることも考え、結婚の翌年、市内の不妊治療専門のクリニックに足を運んでみました。
「妊娠しない原因がわかれば、少しは進展するかも」と期待しつつ一通りの検査を終えたご夫妻を待っていたのは、「双方ともに問題なし、原因不明」という検査結果。肩透かしを食らったような気分で、では自分たちは何にどう取り組めばいいんだろう、ゴールはいつになるのだろうと、先の見えない漠然とした不安にとらわれたそうです。
その後、検査してもらったクリニックでそのまま不妊治療をスタートさせることも検討したそうですが、検査前後のスタッフの対応にたびたび違和感を覚えていたご夫妻は転院を決意。より相性のいいクリニックを探し、仕切り直して、まずは人工授精にチャレンジすることにしました。
大きな転機となったジネコの妊活イベント
ちょうどその頃、たまたま手に取った冊子で、市内でジネコの妊活イベントが開かれることを知ったエリさん。日程も都合がよかったことから、試しにと夫妻そろって出席してみることにしました。イベントは長時間にわたり5講演が行われる盛りだくさんの内容。「最先端の不妊治療の解説から、高齢で妊活をされた方ご本人の体験談まで、さまざまな角度からの情報をもらえてとても参考になりました。その中で、これだけ医学が進んでも原因がわからないケースもあるという話も出てきて、ああ、これはまさに私たちのことだなという気づきも得られました」と、ケイタさんは当日のことを思い出します。
その中でも、お二人にとりわけ強い印象を残したのは、ある漢方・整体サロンの先生による講演でした。漢方の考え方から“妊娠を目指すための理想的な体づくり”について解説する講演だったのですが、話を聞くうち、ご夫妻は、日頃自分たちがなんとなく感じていたことを、明快な言葉で表してもらえたような高揚感を覚えたそうです。
たとえば、姿勢と体調との関係について。ケイタさんは常日頃エリさんが猫背がちなことや歩き方が左右非対称であることを心配されていたそうですが、講演を通し、バランスのよい姿勢を保つことが妊活中の女性の体にとって有益であることを知り、「自分たちが力を入れるべき点はそこかも」と、点と点が繋がったような気持ちになったそうです。また、基礎体温をつけるたび自分の平熱が極端に低いことを自覚していたエリさんは“平熱は高いほうが理想的”という話にハッとしたとか。
「実は私、それまで漢方はあまり信じていなかったんですよ。でも西洋医学のクリニックで特に悪いところはないと言われ、じゃ、なんで私は妊娠しないんだろうと悩んでいたところに漢方の考え方を伺って、自分の体がベストな状態ではないことを自覚でき、すべてにストンと納得がいった気がしました。まずはちゃんと体を整えて、赤ちゃんが来てくれるように準備をしないといけないな、と自然と思うことができたんです」
ケイタさんも、「講演の内容がとても腑に落ちたので、ウチはこちらに面倒を見てもらうのがよさそうだと感じました。通ってみて妊娠に結びつかなかったとしても、少なくともエリがもっと健康になれるなら、悪いことは何にもないわけですし」。
そして、当日すぐにサロンを予約。エリさんの漢方・整体サロン通いが始まりました。
体づくりに励む毎日。そして待望の妊娠
漢方・整体サロンには10日に1回ほどの頻度で通い、筋力増強マシンの利用やふくらはぎへの施術などを受けると同時に、心のもち方や体質・姿勢改善に関するセミナーなどを受講。ニオイや味が気にならない、錠剤やカプセルの漢方薬も始めました。当時のことを、エリさんは「施術がよかったのはもちろんですが、サロンでスタッフさんとお話しするひと時も、とても有益でした。皆さん女性の体について知識が豊富なうえにいろいろなケースをご存じで、ちょっとした悩みにもじっくり相談に乗ってもらえ、ありがたかったです」と振り返ります。
サロンの指導に従って日頃の食生活も見直し、糖質カットを実践。間食もジャンクフードも断ち、あんなに好きだったラーメンもポテトチップスも食べなくなったそうです。すると、まず低温期の体温が目に見えてアップ。同時に懸案だった姿勢の悪さも、徐々に改善されていきました。
そうしてクリニックに通い始めて4カ月め、エリさんはついに新しい命を授かったのです。ちょうど、通っていたクリニックで3回目の人工授精を行った頃合いでしたが「タイミング法も試していたし、人工授精で結果が出たのか、自然にできたのか、自分たちにはわからないんですよね。でもどちらにしても体づくりに励んでいたことが功を奏したのは確かだと思います」と、お二人は口を揃えます。
男性も参加するのが当然と二人三脚で歩んだ妊活期間
Mさんご夫妻の妊活を改めて振り返ると、戸惑った時期はあったものの、結果的に最短の道のりで妊娠にたどり着いていることに気づきます。スムーズな経過をたどった理由はどこにあるのでしょうか。ケイタさんは「その時々で適切な情報を収集し、時間を無駄にせず最良の選択ができたからかな」と自己分析します。
一方エリさんが挙げた理由は“妊活中、心穏やかに過ごせたこと”。
「私は職場でも妊活のことは隠さず相談していたのですが、ありがたいことに皆に快くサポートしてもらえました。夫もなんでも聞いてくれたので、一人で抱え込まずに済んだのがよかった点かと。ストレスなく過ごすことが一番だと思っていたので」
その言葉通り、エリさんにとってケイタさんが最高のパートナーであることは、取材中の会話の端々からもしっかり伝わってきました。クリニックでの検査に難色を示す男性も多いなか、ケイタさんは男性側も一緒に動くのが当然のことと捉え、婦人科にも妊活セミナーにも積極的に足を運び、都合がつくときには漢方・整体サロンにも同行したそうです。また、わからないことがあればすぐにウェブや専門書に当たって調べるのも、ケイタさんの役割だったとか。お二人が同じ熱量で子どもを望んでいたことが、スムーズな妊娠に繋がったのだろうと思わせられるエピソードです。
エリさんも無事に妊娠8カ月を迎えた現在、ケイタさんは子育てに関する情報の収集に余念がありません。目下の楽しみは、機能的なベビー用品をリサーチすること。近い将来、家族が増えたM家はどんな生活を送っているのか?お二人は今、未知の体験となる出産後の新しい暮らしが、楽しみで仕方ありません。
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn
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