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診察する医師によって治療方針が異なる場合は?

コラム 不妊治療

診察する医師によって治療方針が異なる場合は?

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2019.9.14

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※2019年8月24日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn」の記事です。


ちゃろろさん(33歳)からの相談
▶顕微授精、病院の方針について
男性不妊で顕微授精をしています。前回は3月末にロング法で採卵。採れた数は18個でしたが、胚盤胞は2個、いずれも卵子のグレードが悪いため、続けて採卵することに。4月に来院した際に副院長先生に「来月採卵しましょう。前回の卵子の質が悪いから、次回は誘発方法を変えましょう」といわれました。そして、今月生理がきて来院したところ、院長先生に「今月はまだ卵巣が休まっていないから、採卵はやめたほうがいいよ。誘発法は変えずに再度ロング法でいきましょう」と。どちらの意見が正しい? 次もロング法でトライしてもいい?

まとめ
●刺激周期でたくさん卵子が採れたらその後1、2周期休むのがベスト。
●ホルモン値が正常であれば次回もロング法で、その結果を受けて検討を。

お話を伺った先生のご紹介

伊藤 哲 先生(あいウイメンズクリニック)


順天堂大学医学部卒業、同大学院修了。順天堂大学医学部産婦人科学教室講師、国際親善総合病院産婦人科医長を経て、1999年あいウイメンズクリニック開院。日本生殖医学会生殖医療専門医。

≫ あいウイメンズクリニック

地元では有名な不妊治療専門施設のようですが、毎回診察する先生が替わるそうです。


大学病院を含め、規模が大きく、たくさんドクターがいるような施設だと毎回担当医が替わることもあるようですね。ただ、医師は替わっても治療方針は一つの方向に決めておかないと患者さんが混乱してしまいます。
不妊治療は前もって仕事を調整するなど、生活のスケジュールにも影響してくるので急に変更するのは難しいです。医師の考えだけで進めるのではなく、実際に治療を受ける患者さんがやりやすい形をとることが一番だと思います。
最初に治療を担当したのは院長先生だと思われるので、副院長先生に提案されたことに疑問を抱いたら、どういうことなのかはっきり院長先生に尋ねたほうがいいと思います。


すぐ次の周期に別の誘発法で採卵するのか、卵巣を休ませてから同じ方法でトライするのか、どちらがいいのでしょうか。


当院の場合、刺激周期、特にロング法やショート法で採卵した時は1周期か2周期お休みするようにしています。18個採れたということは、針もそれだけ刺しているということ。卵巣は疲れているはずなので、やはりその後は休ませたほうがいいと思いますね。院長先生がおっしゃっていることは確かに理解できます。


預けている受精卵があるので転院は躊躇しているそうですが、やはり次の選択肢は採卵ですか。


預けているのは今回できた胚盤胞でしょうか。もしそうであって、グレードが悪いけれど凍結はできたということであれば、融解胚移植を優先したほうがいいのでは。その間、卵巣を休ませることもできます。それで結果が出なければ誘発法の変更も含め、次の採卵を考えてみてはいかがでしょうか。


次もロング法でいいのでしょうか。


FSHやAMHなどホルモンの値が正常で、ロング法にはまだ1回しかトライしていないのであれば、次もロング法を採用するという選択肢はあると思います。同じ方法でもよい時と悪い時があるので。誘発法を変えるなら、その後でもいいような気がします。
卵子の数は多く採れていますが、ショート法にしたらもっと増えてしまう可能性も。そうなるとOHSSのリスクが高くなってしまいます。
採卵数の割に胚盤胞ができる確率が少し低く、グレードもあまりよくないのは、精子の質が影響していることがあるかもしれません。ただ、ちゃろろさんは、まだお若いので、治療の選択肢はいろいろあると思います。試す時間も残されているので、希望をもっていただきたいですね。


 


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn
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