ロング法とは? 生殖医療用語をドクターが解説 !!
コラム
不妊治療
ロング法とは? 生殖医療用語をドクターが解説 !!
2019.8.20
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※2019年8月24日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn」の記事です。
ロング法
FSH製剤などの排卵誘発剤で卵巣刺激を行うと、卵胞が十分に成熟しないうちにLHサージ(黄体化ホルモンが一過性に大量放出されること)が起こり、それに伴い採卵前に排卵することがあります。このような早発のLHサージを防ぐ目的で、GnRHアゴニスト(性腺刺激ホルモン放出ホルモン作動薬)という薬を用います。
このGnRHアゴニストを、卵巣刺激の開始前の黄体中期(月経開始7日前頃)から使い始め、月経開始後2〜3日にFSH製剤(HMG製剤を含む)などで複数の卵胞を発育させていく刺激法がロング法です。
ロング法は確実に早発LHサージを抑えることができ、採卵日を調節しやすい、採卵数が多いといったメリットがあります。その一方で治療期間が長く、使用する薬の量が多くなり、経済的負担が大きくなるというデメリットもあります。また、若い方や、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方では卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが高まります。
神谷 博文 先生(神谷レディースクリニック)
札幌医科大学卒業。同大学産婦人科学講座、第一病理学講座に入局後、斗南病院にて産婦人科科長を10 年間務める。1998 年、神谷レディースクリニックを開業。
≫ 神谷レディースクリニック出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn
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