【Q&A】二人目不妊でAMHも不育症の検査も問題なし。今後の治療について-浅田先生
専門医Q&A 不妊治療
【Q&A】二人目不妊でAMHも不育症の検査も問題なし。今後の治療について-浅田先生
二人目不妊でAMH値は正常で不育症の検査も問題ありません。今後の治療法について、浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。
相談者:かなさん(34歳)
二人目不妊で治療を行っています。一人目も治療を行い、ゴナールエフ自己注射で卵を育てる→HCG注射で排卵→タイミングで4周期目で妊娠でき、現在3歳半になります。二人目の治療は1年半前に開始し、今回はセキソビットで卵が育つため、セキソビット10日間(1日6錠)服用→HCG注射で排卵→タイミングで治療を行っております。
治療開始後、4周期目で妊娠しましたが6週で繋留流産、その後手術→2周期休んで再度治療を開始しました。その後治療開始後5周期目で妊娠も6週で繋留流産、手術→2周期休んで治療を開始しました。再度治療開始後、3周期同じ治療法で行いましたが、全てリセットしてしまいました。
不育症の検査(保険内の採血、子宮鏡検査)は問題ありませんでした。AMHは4で正常、主人の方も問題ありません。
① タイミングをあと2~3周期行おうと思っております。その後は人工受精・体外受精のどちらがいいでしょうか。年齢的なこともあるので、体外受精の方がよいでしょうか。
② 2回の流産はいずれも心拍確認前だったのですが、弱い受精卵だったのでしょうか。それでも受精・着床できる妊娠力はあると考えてよいのでしょうか。
③ 主人のことですが、普段自分で射精することはないようで、月一回のタ イミング時のみです。精子は溜めすぎるとよくないとのことで、タイミングを取る日の数日前に1回出してもらうようにお願いしておりますが、この方法で問題ないでしょうか。(もっと頻繁に射精した方がよいでしょうか)
ちなみに、半年ほど前からタイミングを意識しすぎるあまりうまくできなくなり、シリンジ法で行っております。
乱文で恐れ入りますが、よろしくお願い致します。
今後の治療について
AMH値は4とやや高めなくらいですが、妊娠前の症状は無月経で、重症の多嚢胞性卵巣症候群だと思われます。多嚢胞性卵巣症候群の場合、タイミングを取るにしても、きちんと排卵させることが一番大切です。
34歳ですので、タイミングを4~5周期、その後人工授精を5周期、それでも結果がでなければ体外授精へと進むのが通常のステップアップですが、かなさんの場合は一人妊娠されているので、タイミングを長めにとる、あるいは人工授精を長めにとる、という選択肢もあります。まずは人工授精を4~5周期試し、それで難しいようであれば体外受精に進まれるのが良いかと思われます。
2回の流産について
流産の考え方ですが、卵子は、強い・弱いという漠然とした尺度で捉えるものではなく、受精した卵子は途中まである程度は成長します。その成長が妊娠判定よりも前に止まれば妊娠しないことに、妊娠判定後に止まれば流産となります。よって、流産だけが特別なことではありません。成長が止まるのは、受精卵の遺伝子の発現が上手くいかないからです。かなさんの年齢であれば、平均10数個の卵子で、ひとりの赤ちゃんが育ちます。流産は意外に多く、かなさんの年齢でも3回妊娠すれば1回は流産になる確率ですので、2回続けて流産になることも不思議なことではありません。
ご主人が月に1回しかタイミングを取らないということですが
何日か(例えば3日以上)精子を溜めても、運動率が下がるだけで何のメリットもありません。ですから排卵日にこだわらず、排卵前後で2,3日に1回は夫婦関係を持っていただきたいと思います。排卵日当日は、すでに妊娠率は低くなります。排卵2日前が妊娠率は一番高いというデータがあります。タイミングにこだわりすぎ、月に1回というプレッシャーがあると、逆にEDになってしまうこともあります。シリンジ法を用いられているようですが、それをするくらいであれば早く人工授精にした方が良いと思われます。
受精卵の本質を考え、治療を進めていただければと思います。
関連するタグ
#タイミング #人工授精 #シリンジ法 #体外受精 #ステップアップ #卵子 #精子 #射精 #排卵誘発 #ゴナールエフ #刺激法 #浅田レディースクリニック #浅田義正先生