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【特集】治療データを正しく読み取ってクリニックを選択しよう 【良い病院の選び方】

コラム 不妊治療

【特集】治療データを正しく読み取ってクリニックを選択しよう 【良い病院の選び方】

前号「不妊治療の実際」~2000人アンケート調査より~ では、不妊治療はクリニック選びが難しい! という実態が浮かび上がりました。いい病院を選ぶためにどんなデータや情報に注目するといいのか? 応援ドクターに取材しました!

2020.3.10

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※2020年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring」の記事です。


Advice
不妊治療は短期決戦で。
しっかりとした
病院選びを!

お話を伺った先生のご紹介

蔵本 武志 先生(蔵本ウイメンズクリニック)


久留米大学医学部卒業、山口大学大学院修了。山口県立中央病院産婦人科副部長、済生会下関総合病院産婦人科部長を経て、1990年オーストラリア・PIVETメディカルセンターへ留学。帰国後、1995年蔵本ウイメンズクリニック開院。JISART(日本生殖補助医療標準化機関)理事長。久留米大学医学部臨床教授。

≫ 蔵本ウイメンズクリニック

品質認証やスタッフの質など、病院を見るポイント


現在日本には615のART(生殖補助医療)登録施設(2018年の統計)があり、新旧交代はあれど都市部では増えている傾向にあります。少子化が進行するなか、出生児の約17人に1人はART由来出生児と言われ、一般不妊治療だけでなく高度不妊治療がますます求められています。「不妊治療は短期決戦で」という意識が重要。不妊治療に取り組む方には「近い」「施設が豪華」という理由だけでなく、しっかりとした病院選びをしていただきたいです。
まず一流の学術誌に掲載され、多くの医療施設で取り組まれている「根拠のある治療法」を行っているか。ご自身も不妊治療について学び、受け身ではなくどんどん医師に質問していきましょう。
「品質管理」も重要です。部屋の清浄性はもちろん卵子、精子、胚の取り違え事故などが起きていないか。高品質の医療の提供などが、明確にシステム化されていることを国際的に認 証しているISO9001のような認証を取得している施設がおすすめです。
ハード面も大事ですが「スタッフの充実」といったソフト面にも注目しましょう。学会や勉強会などに参加し、それを取りまとめる指導者がいるような教育が行き届いた施設には、どんな質問にも明確な回答を行い、その場で不明なことも調べたうえで、素早くレスポンスしてくれるようなスタッフがいるはずです。


一般不妊治療からARTへの移行は半年を目処に


出産率は35歳頃より減少傾向を示し、38歳頃を境に急激に低下して流産率が上回るようになります。日本のART治療周期のピークは40歳と世界的に見ても治療の取り組みが遅い傾向にあり、女性の年齢の上昇とともに卵質の低下が起こり、治療1回あたりの妊娠率、出産率が低下していきます。たとえばインドネシアでのARTのピークが30~32歳と考えるとその年齢差は歴然です。
そして、日本ではすべての患者さんに「低刺激法」を行う施設もありますが、採卵数が少ないために何度もトライするようでは効率がよくありません。30代で卵子の数がそこそこあると判断されたら通常刺激法を行い、1度に8~10個の採卵を目標にしましょう。それにより採卵1回あたりの妊娠率、出産率は上がります。
また当院の調査では、仕事を辞めたり、非常勤にするなど働き方を変えた人は、1年以内で3割、3年間治療している人は6割という結果が出ました。治療を長引かせることはさらに妊娠しづらくなるとともに女性の人生をも大きく変えてしまいます。
不妊治療は3年を目処に、特に35歳以上の方は一般不妊治療で半年間結果が出ないなら、ARTに移行することをおすすめします。またそのような的確なアドバイスが行える医師と出会うことが一番の近道です。



出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring
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