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潜在性高プロラクチン血症と診断。自然妊娠は難しいといわれました

コラム 不妊治療

潜在性高プロラクチン血症と診断。自然妊娠は難しいといわれました

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2020.4.9

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※2020年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring」の記事です。


aymさん(35歳)からの相談
▶︎潜在性高プロラクチン血症後の胚移植
以前、6個採卵し、胚盤胞は1個で妊娠に至らず。最近、治療を再開したら潜在性高プロラクチン血症と診断されカバサールⓇを服用しました。AMHは2.7ng/ml、LHとFSHは高く、自然妊娠はむずかしいといわれ、精子の運動率もよくないため顕微授精に。9個採卵し、胚盤胞は1個です。高プロラクチン血症は改善されたのでしょうか? 葉酸を飲んだり、ジムで運動やウォーキングをしています。着床率を上げる方法など、胚移植までにできることはありますか?

お話を伺った先生のご紹介

岡本 恵理 先生 (英ウィメンズクリニック)


大阪市立大学医学部、同大学院の医学研究科修了。大阪市立大学医学部附属病院、大阪市立住吉市民病院、大阪府済生会千里病院の各産婦人科を経て、2007年1月より英ウィメンズクリニックに勤務。2013年6月より妊孕能温存部門部長に就任。A型・射手座。


≫ 英ウィメンズクリニック

aymさんの体の状態についてどう思われますか


運動をはじめ、サプリメントも摂取して積極的に体づくりをしておられますね。BMIは19程度と少し痩せぎみですが、月経周期も安定し、妊娠には問題ない健康な状態だと思います。
AMH2.7 ng /mlは年齢的には日本人女性の中間値です。そのためLHとFSHが高いのも一時的なものではないでしょうか。自然妊娠がむずかしいというのは卵巣予備能以外の検査結果を総合しての主治医の判断なのかもしれませんね。


採卵1回目6個、2回目9個、どちらも胚盤胞は1個でした


1回目は副作用のことも考えて体にやさしい排卵誘発法を選択され、2回目はもう少し積極的に排卵誘発をして個数が増えたのでしょうか。胚盤胞になる確率は低めだと思います。
ちなみに、ご主人の精子の運動率は、体外受精で受精の可能性があるレベルでしょうか? もしかすると精子のDNAの損傷率が高く、受精が起こりにくかったり、胚盤胞になりにくくなっている可能性もあります。精子のDNA断片化率を測定する検査において、DNAの損傷率が高ければ、精子にダメージを与えないように精子を調整する方法を試してみてもいいかもしれませんね。


高プロラクチン血症は改善した?着床率の上げ方について教えて


aymさんの高プロラクチン血症は潜在性ですし、カバサールⓇの服用で十分効果が出ていると思います。もし4週間で服用を中止しているのであれば、妊娠するまで続けることをおすすめします。
お腹をさわると冷たく、軟便とのことですが、冷えは妊娠の大敵です。体を冷やす食べ物をさけて、鍼灸や漢方薬などを試してみるのもよいかと思います。血流の改善は子宮の内膜を厚くしてくれます。
あとは精神的なストレスの解消ですね。aymさんは妊娠の可能性が下がりはじめるかどうかの分かれ目の年齢で、AMHも年齢平均値くらいなのに、卵巣予備能の低下を指摘されて必要以上に心配されているように感じます。タイミング半年、人工授精3回、採卵2回という治療歴でしたら、それほど悲観的になることはありません。さまざまな制約もあるでしょうが、今後も諦めることなく治療を続けていけば、かならずよい結果が得られると思います。自信をもってください。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring
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