体外受精に踏み切ることに躊躇している。体質改善の判断はなにを目安にしたらいい?
ちょめ さん(39歳)
【不妊の原因:不明・高齢】
○なんだか疲れやすい
○胃腸が弱い
○息ぎれをしやすい
○冷え性である
○下痢と便秘をくり返す
○イライラをため込みやすい
○抜け毛や白髪が多くなってきた
○めまいや立ちくらみがよくある
○目がかすんだり疲れる
○肩こりや頭痛が慢性的にある
○レバーのような経血の塊が出る
○のどが乾きやすい
○のぼせやほてりがある
○とくにおなかや下半身が冷える
○太りやすい
○体が重く、いつもだるい
○むくみやすい
○痰が出やすい
体質改善の指標は体調と基礎体温表の好転、排卵前後のおりものの質、量、期間で判断する
体外受精をするなら、「腎精」を補い、しっかりとした体づくりをしてからがおすすめです。「腎精」は、親からおなかのなかにいるときにもらえる先天の精と、生まれてから食べものを摂取することで後天的につくられる精が合ったものです。この「腎精」は、ホルモンの働きや妊娠力、成長、発育、老化と直接関わっていて、女性は28歳をピークに下がってきます。「腎精」を補うことで質の良い卵ができやすくなり、妊娠力もアップします。
ちょめさんは腎の力が衰えつつある年齢であり、「腎精」の症状もあるので、「腎精」を重点的に補うことをおすすめします。ただし、胃腸が弱いので漢方薬の選薬は慎重にするべきです。
まずは脾の状態を改善してから補腎薬、駆お血(くおけつ)薬を服用する
さらに、胃腸が弱いなど「脾虚」の症状が長く続き、水の流れが悪くなり「痰湿」がたまった状態です。飲食物を摂取して消化を主る脾胃の機能が低下している「脾気虚」で、その機能を良くすることで水分代謝や消化吸収も良くなります。結果、妊娠に必要な血がつくられます。
肩こりなどの「お血」の症状は、血流を良くして「お血」を取り去ることで子宮のなかの血流も良くなり、固くなった子宮内膜が柔らかくなり着床率が高まります。「脾虚」があるので、先に脾から治療しましょう。少し気の停滞もあり、「柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう)」、「香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)」などで脾の機能を良くしてから、補腎薬、「駆お血薬」を入れるといいと思います。補腎薬の中でも「鹿茸(ろくじょう)」や「紫河車(しかしゃ)」などは動物生薬の中の補陽薬です。動物生薬は草や木の生薬に比べられないくらい、精や血を補う作用が高いです。「亀板(きばん)」、「鼈甲(べっこう)」は動物生薬の補陰薬です。冷え性にも関わらず熱の症状があり、腎の「陰陽両虚」と考えます。
周期療法を取り入れ陰と陽のバランスをとること、動物生薬を使うことが妊娠しやすくなるポイント
補陽薬と補陰薬をうまく合わせて周期療法を取り入れ、陰と陽のバランスをとることと、動物生薬を使うことが卵巣機能と黄体機能を高めて妊娠しやすくなるポイントだと思います。
「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」は血液の流れを改善することで、老化の抑制、肝組織のコレステロールの改善、糖尿病の改善する薬である特許を取っています。
血液の流れは、妊娠、月経はもちろん、生活の質に大きく影響を与えますので、ぜひこの機会に試してみてください。
前川 紗智子先生
平成3年より八面体質論、中医学を学ぶ八蒙会、古法の漢方を中心とした医経会に入会して学ぶ。2008年に中国政府認定国際中医師を取得。社団法人子宝カウンセラー、国際医療団体、カッサ療法士。相談者が後悔しない選択ができるようにカウンセリングを行い、じっくり話を聞くことを心がけている。