大豆が生み出す“おいしさ“に注目
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絞る、発酵、炒る。大豆から生まれる食材は異なるおいしさを持つ
煮豆やお正月のおせち料理に欠かせない黒豆などは、豆をそのまま食べる料理ですが、毎日の食事に登場する大豆は、ほとんどがその加工品です。大豆の加工食品は、調理過程から「絞る」「発酵させる」「炒る」の3つのグループに分けられます。
絞ることから生まれるのが豆腐や豆乳、発酵から生まれるのがみそやしょうゆなどの調味料、そして炒ることから生まれるのがきな粉や炒り豆です。日本には大豆というすぐれた食品に親しむ文化があったことに感謝すると同時に、毎日の献立に大豆製品を生かし、1日100gを目標に摂取するよう心がけたいものです。
大豆にもいろいろな種類がある
大豆の種皮の色は黄、黒、緑、茶などがありますが、どれも中身は黄か緑です。豆腐や納豆など、加工品に適するよう品種改良されています。大豆の加工食品をよく食べる日本は、食品用大豆の品種改良に関しては世界でいちばんの先進国だそうです。
豆腐に使われる代表品種で、タンパク質が多く、固まりやすいのが特徴。 | 粒の小さな品種は納豆用として人気。納豆に使う大豆は見た目のよさも大切です。 | |
大粒の黒大豆で、大豆の中では最高級品。砂糖を加えて煮ると黒々と美しく輝きます。 | 種皮と子葉が緑色の大豆で、炒って粉末にしたきな粉は、淡い緑色でとてもきれい。高級和菓子や緑豆腐に使われます。 |
安全性を考えるならぜひ国産大豆の加工品を
日本で消費される大豆の量は年間で約500万トン。そのうち100万トンは加工食品に、400万トンはサラダオイルなどの原料として利用されます。それに対し、日本での大豆生産量は23万トン。自給率はわずか20%ととても低いのが現状です。
日本で生産するとコストがかかって価格が高くなり、輸入大豆に太刀打ちできないことから、生産する農家が少ないのだそうです。輸入大豆には遺伝子組み換えのものも多く、将来的に体が受ける影響の可能性を考えると、遺伝子組み換えでない国産大豆の加工品をできるだけ食べたいもの。
とくにこれから妊娠しようと考えている人にとっては、食材の安全性は気になる問題です。国産大豆の生産量の約70%は、大豆のよしあしが直接味に影響する豆腐に使われます。国産大豆を使っている豆腐は、価格がやや高めですが、安全性の高さと、国内の大豆生産の向上にひと役かう意味で、積極的に国産を選びたいものです。