切迫流産・流産とは(2)
6~7人に1人の割合で起こってしまう流産。そのなかにはお母さんの力では防ぐことができないものと、気をつけていれば防げるものがあります。
Q:妊娠16週の健診で切迫流産と診断され自宅療養中です。どのように過ごせばいいですか?(ななこさん・40歳)
状態により安静の度合いが変わります。やっていいこと、ダメなことを医師に確認しましょう。
切迫流産は流産とは違い安静で妊娠は継続することも
流産と同じような症状で、流産になりかけている状態が切迫流産です。今にも流産しそうな印象を受けますが、必ずしも危険度が高いということではありません。妊娠22週未満で、出血や下腹部痛はあるけれど、超音波検査で胎児の心拍が確認されている場合につく診断名です。
12週未満で、心拍が確認でき、子宮の出口である子宮頸管が閉じていれば、そのまま流産に進行することは少ないとされています。安静に過ごしていれば妊娠を継続することも可能ですが、自己判断は禁物です。必ず医師の指示に従いましょう。
12週以降の切迫流産は、母体側の問題が原因となっている場合が多く、注意が必要な状態です。原因に応じた治療を行い、流産を防ぐ処置を取らなくてはなりません。感染症があれば抗生物質、16週以降で張りがある場合は子宮収縮抑制剤など、原因に合わせた薬が処方されることもあります。
安静の度合いは症状によって異なります
切迫流産と診断されたら、一番の治療は安静にすること。状態によって安静の度合いは異なるので、医師の指示に従いましょう。
自宅安静を指示されたら、基本的に外出は禁止。働いている人は、仕事も休まなくてはなりません。掃除、洗濯、食事の支度などの家事はどの程度していいのか、入浴していいのかなど、日常生活について細かく医師に確認しておきましょう。家事などの許可が出た場合でも、基本は安静。ご主人にサポートしてもらい、長時間立っていることのないようにしましょう。絶対安静と言われた場合は、布団を敷いて、食事やトイレ以外は横になって休みます。
症状が重い場合は、入院安静となります。食事もベッド上でとり、基本的にずっと寝ていなければなりません。それほど重い症状ではないけれど、小さな子どもがいるなどの事情で、自宅でゆっくり休めないという場合は、入院をすすめられることもあります。この場合は売店への買い物やトイレなど、多少の動作は大丈夫でしょう。
○ 流産を予防する日常生活のポイント
- 体を冷やさない
- とくに下半身を冷やさないように注意。冬はもちろん、夏場、エアコンの効いた部屋ではひざ掛けや靴下で冷えから守りましょう。
- リラックスして過ごす
- ゆったりとした気持ちで毎日を過ごしましょう。ストレスをためないよう、音楽や散歩など、自分に合ったストレス解消法をみつけて。
- 疲れないようにする
- 仕事や家事を頑張るのも、無理をせず、ほどほどに。睡眠をたっぷりとって、疲れをためないようにしましょう。
- 流産の徴候を見逃さない
- 出血と下腹部痛が異変のサイン。おりものに混ざる程度の少量出血でも、心配な時はすぐに受診しましょう。