不妊治療経験者の3割が卵子提供による不妊治療を検討したことがある
前回「卵子提供について考える(1)」では、法律による規制の考えにいてジネコアンケートに答えていただいた方のほとんどが容認すべきという意見であることが分かりました。今回は、実際にどれくらいの方が、卵子提供による不妊治療を考えたことがあるかその実態をレポートいたします。
約3割の方が卵子提供による不妊治療を考えたことがある
ジネコアンケートでは、約3割の方が卵子提供による不妊治療を考えたことがあるという結果になりました(グラフ4)。年齢階層別でみると、やはり高齢になるほど、検討する方の割合が増えています。(グラフ5)
また、そのうち半数の方が海外やエージェントを通じた卵子提供による不妊治療について調べたことがあると答えており、日本で課題が浮き彫りになりました。
卵子提供について検討したのは、何度治療をしても結果がでなかったとき
卵子提供を考えたことがある人に、どんな時に考えたのか聞いたところ、治療の結果がうまくいかなかった時というコメントが多数を占めていました。
順調だった生理が突然不定期になり、あれ?と思って病院へ行くと、「早発閉経」と言われました。その後、不妊治療を続けても、採卵すらできないまま、年齢だけがどんどん上がっていきました。子どもを望んでいた夫は、私を責めることはありませんでしたが、家族連れの姿を羨ましそうに見ている夫を見ていると、申し訳ない気持ちが強くなっていきました。その時、自分の卵子でなくてもせめて夫の遺伝子を引きついた子を授かれるのなら…と卵子提供を考えました。(とーりゅさん・40歳)
生理開始からずっと生理不順で病院に通い、低用量ピルなどで生理を起こしていました。その間基礎体温を計測しても二層にならず、血液検査やエコー等行ったところ、排卵がないと言われました。当時は学生でしたが、妊娠を希望するときには早めに治療をしていきましょうと言われました。とても悲しい気持ちと、早くわかってよかったという気持ちで、複雑でしたが、自分なりにいろいろ調べ、卵子提供もひとつの方法として考えました。私の場合、生理はずっときませんでしたが、自然に妊娠することができ、先月出産しました。奇跡だと思いました。自分ではどうすることもできないまま諦めるしかないのは、あまりに辛いと思います。方法があるのであれば、広く普及してほしいと思います。(みゆきちさん・23歳)
不妊治療が失敗続きでなかなか結果が出なかったとき。体外受精にステップアップする前。体外受精を何回もして授からなかったら、資金の残ってるうちにタイに行く方法もあるなと思っていた。(なっつんさん・37歳)
野田聖子さんの本を読んで考えさせられた。望んでも恵まれないことを考えると海外へ行ってでも欲しい気持ちは痛いほどわかる。本を読み、いろいろ調べたりした。(むまふさん・30歳)
体外受精を繰り返しても妊娠が継続できなかった時(めいさん・42歳)
体外受精の結果がなかなか出なかったとき(はっさくさん・37歳)
体外受精をしても授からなかった場合に選択肢の一つとして考えた(どらりえもんさん・33歳)
早発閉経で卵胞が育たなくなってきたとき(匿名希望・39歳)
早発閉経と診断された時(えみっちょさん・39歳)
治療を始めた時にダメだった時の事を考えて選択肢の一つとして考えた(みみみのさらさん・41歳)
自分の卵子の質がわるく受精に至らないため、妹のを提供してもらえればと考えたことがある。(まつさん・39歳)
自分自身に、卵子がないと医師から告げられ卵子提供の選択もあると聞かされたとき(さとさん・25歳)
何度も顕微授精後の移植で失敗した時。年齢的にも40歳になっており、良い卵子が取れず悩んでいた時だった。(kisaluさん・41歳)
何度受精卵を移植しても妊娠しない時。歳を感じる時。空胞が増えたり、受精卵が育たなかったり、衰えを感じる時。(Koalaさん・44歳)
AMHの数値が低く、自分の卵子では妊娠できないかもしれないと思った時に医師に相談した。(サリオさん・46歳)
卵子提供について考える(1) はこちら
卵子提供について考える(3) はこちら
最先端で治療するドクターの見解をインタビュー(4月24日更新予定)
卵子提供による不妊治療で妊娠・出産したAさん インタビュー(5月初旬予定)
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