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経血量が減り月によっては赤黒い塊も。内膜が厚くないから?

コラム 妊活

経血量が減り月によっては赤黒い塊も。内膜が厚くないから?

経血量が減り月によっては赤黒い塊も。内膜が厚くないから?

2015.4.3

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相談者

こたろう さん(39歳)


【不妊の原因:不明】
○なんだか疲れやすい
○冷え性である
○ため息をよくつく
○月経前になると乳房や下腹部が張る
○血色が悪い
○爪がもろく割れやすい
○肩こりや頭痛が慢性的にある
○肌が乾燥しやすい
○のどが乾きやすい
○寒がりである
○とくにおなかや下半身が冷える
○むくみやすい




月経不順は子宮内膜が厚くないためではなく、「気」、「血」の流れがスムーズではないことが原因


経血量が減ってきたり、粘膜のような赤黒い塊りが混じったり、慢性的な肩凝りや頭痛は血のめぐりがとどこおる「瘀血」という症状です。「気虚(エネルギー不足)」や「気滞(気のとどこおり)や「血虚(栄養を運ぶ血の不足)などが進むと「瘀血」になりやすいのです。


体内の「肝」・「心」・「脾」・「肺」・「腎」の五つの臓器それぞれが促したり抑えたりしてバランスを保っている


疲れやすい、冷え性、寒がり、むくみやすいなどの症状は生殖をつかさどる「腎」の失調による「気虚」であり、月経数や経血量が少なくなっている、血色が悪い、爪がもろく割れやすいなどの症状は蔵血をつかさどる「肝」の失調による「血虚」です。これらのことから、こたろうさんは「気血両虚」であると考えられます。

「気」、「血」の働きに関わる「肝」は、女性の月経に大きな影響を与えます。よくため息をつく、月経前に乳房や下腹部が張るのも「肝」の気のとどこおり「肝気鬱結」のときに見られる症状です。今の月経の状態は、内膜が厚くないことが原因というより、体全体の「気」、「血」の流れがスムーズに行われていないためにおきています。

卵巣や子宮に新鮮で栄養十分な血液が送られることで、経血量も増え月経日数も安定し、子宮内膜は着床に適した状態になります。そのためにも、「気」・「血」・「津液」の働きを整えることが重要です。


「気」・「血」・「津液」のめぐりを整える治療法の鍼灸で体が本来持っている力を取り戻す


「肝」が栄養ある十分な血を貯えるには、「脾胃」の機能を高め消化吸収を促し、体内に栄養を取り込むことが大切。「気」のエネルギーで血が全身をめぐります。「気」、「血」のめぐりが良くなると「津液」の不足も補われ、肌が乾燥しやすい、のどが渇きやすい症状も改善されます。

鍼灸は「気」・「血」・「津液」のめぐりを整える治療法で、悪い所だけを治すのではありません。足りないものを補い、余分なものを取り去ることで体が本来持っている力を取り戻すための治療です。妊娠を望むのであれば、自然な月経サイクルに戻し、妊娠しやすい柔らかくて厚みのある子宮内膜にして赤ちゃんを育める環境を整えましょう。

また、女性の体の周期とホルモンは密接な関係にあり、ストレスや生活習慣がホルモンバランスに大きく影響します。自律神経を整えることと「食事」「睡眠」「運動」の改善も妊娠には欠かせません。鍼灸や漢方で月経を整え、体を本来の軌道に戻し、体力を蓄えてから不妊治療を再スタートするのが、最も適切であると思います。




関口 眞美先生


鍼灸 青龍堂院長。不妊鍼灸ネットワーク会員。日本不妊カウンセリング学会会員。女性鍼灸師フォーラム会員。鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・経絡リンパインストラクター・心理カウンセラー。不妊専門の鍼灸院であり、女性に優しい治療を心がけています。




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