妊娠中の体のトラブル対応マニュアル(2)~体の外側のトラブル~
妊娠中は薬を服用できない場合もあります。薬を使用しない手当てをご紹介しましょう。ただし、ここでご紹介する方法は応急処置ですので、様子をみて改善しない場合は、早めに病院でみてもらいましょう。
腰痛
● 風呂や温熱パッドで温める
熱すぎない風呂に、朝晩ゆっくりつかる。あるいは、日に3~4回、各15分程度、タオルに包んだカイロなどを当てる。
● 湿布する
きゅうれい根(粉末)を3倍量の小麦粉と混ぜ、少量の水を加えて耳たぶくらいのやわらかさに練って、厚地の布に湿布薬を塗り、ガーゼをのせ、患部に貼る。
腹部や、そのほかの皮膚のかゆみ
● 湿布する
長時間の熱いシャワーや風呂、肌を乾燥させる石けんなどは避ける。シャワー後、肌が潤っているうちに保湿クリームなどを塗る。室内が乾燥している場合は加湿を心掛ける。
目のかゆみや目やに
● 湯でしぼった布を当てる
3時間おきに5~10分ずつくらい、熱くない程度の湯に浸してしぼった布を当てる。
【正しい目の拭き方】
ガーゼか脱脂綿に熱湯をかけて消毒し、人肌程度に冷めたら目頭から目じりに向かって拭く。指や手で拭くと細菌がつくので避ける。
筋肉痛、筋肉の損傷
● 1~2日目はアイスパックか冷湿布
打撲傷の項目を参照。アイスパックか冷湿布をする、受傷直後は冷水に浸す。
● 2日目以降は入浴、温湿布
炎症が治まったら、入浴するか、湯で絞った布を当てる。
けがによる打撲傷
● アイスパックで冷やす
冷凍庫で凍らせた市販のアイスパック、ファスナー付きのビニール袋に氷を詰め、濡れないようにタオルを添えたものを患部に30分ほどあてる。腫れや痛みが引かなければ、必要に応じて30分後に再度当てる。あるいは20分冷やしたら30~40分休憩し、また20分冷やす、を3~4回繰り返す。冷やすことで血管が収縮し、痛みや腫れを抑え、炎症の広がりを止める。
● 冷湿布
氷水に浸して絞ったやわらかい布を患部にあてる。
手、手首、足の打撲傷
● 冷水につける
洗面器に水と氷を入れ、患部を30分ほど浸す。必要に応じて30分後に再度冷やす。
● 患部を心臓より高くする
内出血の拡大と悪化を防ぐ効果がある。
やけど
● 流水で冷やす
素早い応急処置が重要。水道水などを勢いよく出し、患部に当てて20分以上冷やす。服の上からやけどしたときは、服を身につけたまま冷やし、十分冷やしてから優しく服を脱ぐ。流水が近くにない場合は、できるだけ冷たい水に浸す。ウイスキーか焼酎くらいの度数のアルコールがあれば、患部を20~30分漬ける。タオルかガーゼを患部に当ててアルコールをかけてもよい。アルコールは酢でも代用できる。アルコールには殺菌効果と、熱をとり、水ぶくれを防ぐ効果がある。
● 冷湿布
打撲傷の項目を参照。氷を直接患部に当てないようにする。
参考:『すべてがわかる妊娠と出産の本』H・マーコフ、A・アイゼンバーグ、S・ハザウェイ著 森田由美訳 竹内正人監修 アスペクト刊/ 『病気とけが 手当のきほん おさらい帖』王瑞雲著 小学館刊