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人工授精で妊娠しないのは、卵胞に問題が?

専門医Q&A 不妊治療

人工授精で妊娠しないのは、卵胞に問題が?

2017Webコラム

2017.11.7

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人工授精で妊娠しないのは、卵胞に問題が?


2017/11/7 石田徳人先生(菊名西口医院 院長)







相談者:あいさん(33歳)


クリニックに通って1年、現在人工授精をしています。この前、生理3日目で、卵胞が6ミリ、4ミリで、右2つ、左2つの合計4個でした。3日目にしてこの大きさと数は正常でしょうか?
生理3日目から5日間、レトロゾール®を服用するように言われました。ちなみにAMHは5.24あり、多嚢胞では? と思っています。
次、人工授精5回目でダメだったら、体外受精にステップアップしましょうと言われているので、あせっています。アドバイスをお願いします。



 



生理3日目での卵胞検査。この大きさ、数は正常ですか。


詳しいことが書かれていないので推測になりますが、たぶん超音波卵巣計測で卵胞の大きさや数を測られたのでしょう。体外受精の場合は生理3日目に測ることもありますが、人工授精の場合では、月経周期の安定した方なら、当院では生理10日目前後で測ります。念のため、さらに2,3日後に測ることもあります。ご相談者のあいさんは、人工授精で生理3日目に測られたとのこと。特別な事情が考えられますので、この時期に計測した意図を、一度担当医におたずねになってはいかがでしょうか。


AMH5.24で、多嚢胞ではないかとも疑っています。


2,3個見えるなどというのはよくあること。ネックレスサインも認められていないようですし、多嚢胞の疑いもないでしょう。
妊娠にまつわる情報は過剰気味ですが、体調次第で理屈どおりに進まないのが不妊治療の難しいところです。ちょっとしたストレスや風邪を引いた程度で月経周期が乱れたりするのは、多くの女性が経験されているのではないでしょうか。同じ人でも、毎回同じように排卵するとは限らないのです。卵子の数が少なくても、受精卵が少々いびつでも妊娠する人はいますし、若くて何も問題がないのになかなか妊娠しない人もいます。AMHも1つの目安で、妊娠率と必ずしも相関するわけではありません。診断されていなければ、「多嚢胞かもしれない」と心配しすぎでは? 疑問点は率直に担当医に伝えて、納得した医療を受けてくださいね。


次、5回目の人工授精後はステップアップすべきですか。


人工授精を3回以上しても妊娠しなかったらステップアップしましょう、というのはスタンダードだとは思いますが、こればかりはご本人のご希望しだいです。確かに効率を考えればステップアップした方が妊娠する確率も高くなり、より早く赤ちゃんに会えるかもしれませんが、治療を受けるのはご本人ですので、治療法もご自分で選ぶ権利があります。「あせっています」と書かれていますが、「もうしばらくはステップアップしたくない、人工授精を10回までやりたい」などのご要望がある場合は、きちんと担当医に伝えましょう。
当院は、余計な検査、余計な治療はできるだけ避け、なるべく自然な形で妊娠へと導きたいというのがポリシーですので、あいさんのお気持ちもよくわかります。当院では、排卵されている方なら40歳の方にも排卵誘発剤は使用しないようにしています。それぞれクリニックにもポリシーや治療方針があるので、段階的な治療プランについて担当医と相談してください。




石田先生より まとめ


検査の必要性、排卵誘発剤の必要性、なぜレトロゾール®が処方されたのかなど、疑問に思うことは遠慮せずに担当医にたずねましょう。妊娠はマニュアルどおりにはいかないので、数値にこだわり過ぎて惑わされないこと。あいさんは33歳で排卵もあり、自然妊娠の可能性も大いにあると思うので、夫婦間のスキンシップも大切にしましょう。




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お話を伺った先生のご紹介




石田徳人先生(菊名西口医院 院長)
医学博士。母体保護法指定医。日本産婦人科学会専門医。日本生殖医学学会会員。日本受精着床学会会員。高度生殖技術研究所会員。男女生み分け研究会会員。平成2年金沢医科大学卒業、聖マリアンナ医科大学産婦人科入局。平成8年同大学大学院修了、カナダMcGill大学生殖医学研究室客員講師。平成9年聖マリアンナ医科大学産婦人科医長、平成13年菊名西口医院開院。産婦人科専門医として、特に不妊治療を専門とし、妊娠から出産後の育児まで女性の健康を幅広くサポート。不妊治療ではで極力自然妊娠につながるよう、高度な不妊治療(ART=生殖補助技術)には安易に頼らず、タイミング指導に力を入れている。日々の激務に備え、週数回は2時間のジョギングで体力づくり。座右の銘は、「誠実・努力」。

≫ 菊名西口医院


 



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