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AMHが0.16以下ですが、妊娠可能ですか?

コラム 不妊治療

AMHが0.16以下ですが、妊娠可能ですか?

2017Webコラム

2017.10.13

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相談者:ひろみんさん(38歳)


AMHが0.16以下ですが、妊娠可能ですか?


クリニックに通って約2年。タイミング4回、人工授精3回、体外受精(新鮮胚グレード3を2個)を1回試みましたが、妊娠しませんでした。人工授精3回を終えてからAMHを測ったところ、0.16以下という数値が。担当医から「どうされますか?この数値なら、諦める方もいらっしゃいますよ」と言われ、頭の中が“?”でいっぱいになりました。
諦めることなどできません! しかし、採卵しても2つしか採取できないのも事実。次もまた採卵からになります。夫に問題はありません。培養士さんは「体外受精でなくとも大丈夫では?」と言ってくださいましたが、次回も体外受精にするか、ホルモン補充をしながら人工授精にするか、迷っています。やれることはやろう!と夫とも話し合い、鍼治療にもと取り組もうかと思っています。どうか、アドバイスをお願いします。



 



AMHの数値が0.16以下、とはどのような状態ですか。


測定器によって、測れる範囲に違いがあります。0.16“以下”という数値は、おそらくその測定器が測れる最低限度なのだと思います。かなり低い数値ではありますが、AMHの値はあくまでも目安です。AMHの値は卵子化が見込まれる原子卵胞の数を示す数値であり、発育卵胞は含まれません。ひろみんさんの場合は、現段階では採卵が可能で、それも2個採卵できているのですから、それほど悲観的になる必要はないと思います。とはいえ、時間的なゆとりはありませんし、卵子の数は生まれたときから限られています。諦めなければならない理由は見当たりませんが、残された卵子をより有効に活かすには、IVF(体外受精)からさらにステップアップし、ICSI(顕微授精)をご検討されてはとも思います。やれることはやろうと決めたのなら、ぜひ検討してみてください。妊娠の可能性は今のところ十分にあると思われるので、どうぞ諦めずに治療を続けてください。


担当医からは、「諦める人もいますよ」と。


担当医も悪気があって言ったわけではなく、「現実的に厳しい状態にはある」ということをお伝えしたかったのだと思います。女性の体は複雑で、自分自身の体であってもわかっていない女性が多くいます。余談になりますが、「月経があるうちは妊娠可能」と思われがちですが、それも大きな間違い。初潮は12歳、閉経は51歳が平均ですが、初潮から2,3年は排卵しないし、45歳あたりを過ぎると排卵はない。月経=排卵ではないのです。妊娠には確かにタイムリミットがありますが、38歳のひろみんさんならまだ可能性はあります。「できることはすべてやりたい」というお気持ちは、大切になさってください。


鍼治療などにもトライしたい、とあります。


鍼灸治療の効果まではわかりかねますが、ご自分が「気持ちが良い」と思われるなら、取り入れて悪いことはないと思います。でも、「しなければならない」と思うとストレスとなって逆効果になることもあるのでご注意を。治療でも、「失敗したらどうしよう」「妊娠しなかったらどうしよう」と考え過ぎるのもよくないので、不安などはナースなどに打ち明けてください。私にお話しくださっても結構ですが、当院のナースは特に聞き上手ですので、お役に立つと思います。また、ご主人ともぜひ仲良くしてください。妊娠の基本は夫婦間のセックスです。排卵があるのですから、自然妊娠も可能。赤ちゃんが欲しいからという目的ありきではなく、日常的にスキンシップしてほしいですね!




松本先生より まとめ


AMHの値はあくまでも目安なので、数値に惑わされないこと。採卵もできているのだから、妊娠は可能。ICSIなどの高度生殖医療を取り入れながらも、自然妊娠の可能性があることも視野に入れ、夫婦間のセックスも大切にしましょう。



 



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お話を伺った先生のご紹介





松本 和紀 先生(松本レディースクリニック 院長・理事長)


日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本生殖医学会生殖医療専門医。昭和54年、東京慈恵会医科大学卒。昭和58年、同大学院博士課程修了。昭和60年、医学博士号学位受領。昭和63年~平成2年、英国ロンドン大学ガイズ病院リサーフェロー「脱落膜組織の免疫担当細胞の動態」について研究。平成2年から、東京慈恵会医科大学産婦人科助手、同大産婦人科副医局長・医局長・産婦人科講師(不妊・生殖班班長)兼診療医長を経て、平成11年にクリニック開設。平成24年、医療法人社団愛慈会を設立しリニューアル。


≫ 松本レディースクリニック


 




 


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