「地中海式食事法」で妊娠の可能性が66%アップ?生殖補助医療専門医ニチケ・マルクス先生に聞く、卵子を若々しく保つ秘訣
インタビュー 妊活
「地中海式食事法」で妊娠の可能性が66%アップ?生殖補助医療専門医ニチケ・マルクス先生に聞く、卵子を若々しく保つ秘訣
健康な女性であっても、年齢を重ねるとともに卵巣や卵子が老化していくのは仕方のないこと。老化をできるだけ緩やかにし、若く健康な状態を長く保つ方法はないものでしょうか。国際的に活躍する生殖補助専門医、ニチケ・マルクス先生にお話を伺いました。
卵子や卵巣の老化は、どのように進行していくのでしょうか?
お母さんのお腹の中にいる頃からすでに、女性の卵巣の中には卵子が存在しています。胎児の卵巣にある卵子の数は非常に多く、妊娠20週の時点で600〜700万個。それが出生時には100〜200万個に減り、初潮を迎える頃には30万〜50万個、さらに37歳では25,000個ほどと、どんどん減っていきます。このうち妊娠が可能な期間に成熟して排出される卵子は400個程度です。
数だけでなく質も低下しますから、女性の妊娠する能力は年齢とともに下がる一方。32歳ごろから下がり始め、37歳以降にはさらに急降下します。卵巣や卵子の老化は、どんな女性でも避けることができないのです。
しかし、現代の情報化社会にあっても、卵子が老化するという事実をご存知でない方がたくさんいらっしゃいます。「生理があれば妊娠できる」「すでに1人産んでいるから、2人め以降もいつでも大丈夫」といった誤った認識を持ったまま妊活をスタートし、なかなか妊娠に至らずクリニックにいらっしゃるカップルは、少なくありません。
自分の卵巣や卵子の老化の程度を知ることはできますか?また、卵子の老化は妊活にどんな影響を及ぼすのでしょうか。
卵巣や卵子の老化を防ぐことはできますか?
卵巣や卵子の老化を完全に止めることはできません。ですが、卵巣予備能や妊娠の可能性を高めたい場合、健康的な食生活や生活習慣を実践することは、とても効果的です。例えば、アメリカのハーバード大学を始め数多くの大学での研究結果として「地中海式食事法(The Mediterranean diet)」は、妊娠の可能性を向上させるとても有効な方法の一つであると発表されています。
地中海式食事法とは、オリーブオイル、果物、野菜、ナッツ、豆類、穀類、低脂肪の乳製品を毎日摂取し、週に2〜3回は魚や鶏肉、卵といった動物性タンパク質を摂る食事法です。食事に加え、適度な運動を行うこともとても大切です。ただし、激しい運動は酸化ストレスを加速させてしまいますから、ご注意を。
以下に、卵子の成熟に必要なFSHなどのホルモンの分泌をサポートする食べ物を紹介しますので、ぜひ参考になさってみてください。
どんなに健康な女性であっても、卵巣や卵子の老化を完全に止めることはできません。とはいえ、老化をできるだけ緩やかにし、若く健康な状態を少しでも長く保つため、日頃の食生活や生活習慣に意識を向けることは、非常に意味のあることではないでしょうか。