基礎体温とは? 生殖医療用語をドクターが解説 !!
コラム 妊活
※2020年8月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn」の記事です。
基礎体温
生命維持のために必要なエネルギー量(基礎代謝)だけを消費している状態での体温を基礎体温といいます。早朝覚醒時は、基礎代謝以外、つまり食事や運動、また感情などといった体温を変動させるような因子が最も少ないため、一般にはこの時に測定した体温を基礎体温と呼んでいます。
月経のある女性では性ホルモンの影響で、基礎体温が周期的に変化します。卵巣から分泌されるエストロゲンが優位の卵胞期では、低温を示し(低温相)、排卵後の黄体から分泌されるプロゲステロンの作用によって体温が約0.5℃上昇する黄体期では、高温相が2週間程度続きます。
妊娠するとさらに大量のプロゲステロンが分泌されるため高温相は持続しますが、妊娠が成立しなければ、黄体の退縮とともにプロゲステロンも低下し体温も元に戻ります。
このように基礎体温は通常、二相性を示し、低温最終日が排卵日となります。基礎体温の上昇は排卵後になるのでずれが生じますが、低温相と高温相の二相性であれば排卵が生じていると判断できます。
以上のことから、毎朝基礎体温を測定し、基礎体温表をつけることで、排卵の有無や排卵日が推定できるだけでなく、基礎体温の高温相の長さやパターンから黄体機能を推察できます。
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn
≫ 掲載記事一覧はこちら